禪院星来から警戒対象・『篠家彼方』へ ページ18
上層部の監視役として、わたしは少しでも何かあれば、すぐさま端末を使い報告することになっている。
例えば、術式が暴走しただとか呪力に異変が見られるだとか、問題を起こしたり情報を掴んだり。
そういう事が少しでもわかれば、上層部から直々に支給された、履歴を残さない仕様になっている専用の端末で報告しているのだ。
基本は電話。とは言っても、上層部の奴らが出ることはなく、発信音の後にただ一方的にこちらが話すだけなのだが。
まぁそんな訳で、ひとまず空いた時間に今現在の情報を上層部に渡す。
わたしは三重高専の壁に寄りかかり、自分のとは別の、最新型のような端末を取り出し、決められたパターンをなぞった。
電話がかかり、耳元に当てる。
ピ――――――3秒ほどの発信音の後、わたしは喋ろうと、くちを開いた。
「ねぇ！なーにしてんのっ？」
「！？」
突然、背後から弾んだような声が振ってきて、わたしはびくりと背中を跳ねさせる。
びっくりした………心臓がバクバクいってるのが直に伝わる。思わず端末を握る手が震えた。
一体誰が出した声なんだろうか。ていうか、何か聞かれた？そう思い、恐る恐る振り向く。
そこに居たのは、学生帽を被った男の人。帽子を目深に被っていてあまり顔が見えないが、目を閉じているような気もする――――――学ラン姿の彼は、にこにことしながら楽しそうに言った。
「こんなとこで一体何してんの？誰に電話？てか君のこと初めて見たわ。ねぇねぇ、教えてよ」
「え、いや、えっと………」
にこにこ。笑みを浮かべながら、その口は饒舌。
返答につまっていると、彼が学生帽に触れたことで、顔がはっきりと見えるようになった。
目を閉じている――――――というのとは違う。これは糸目と言うやつか。
その瞼は固く閉じられていて、目の様子を伺うことは出来ない。今目が合っているような気もするけれど、わたしの姿は果たしてその目に映っているのかどうか。
「君、名前は？何年生？」
わたしが答えられないと思ったのか、その人は質問を簡潔にしてくれた。わたしは今更だが、そっと端末をポケットに隠す。
改めて彼を見やる。しかしその男の人はにこにこ笑みを絶やさないだけで、何を考えているかは全く読めなかった。
「――――――禪院星来です、一年生の……、」
そう答えると、彼はまた、にっこりと笑った。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ｡なりチャでも死んでたら号泣ですね｡ほんとifでよかった｡はい､これからもよろしくお願いします！ (1月2日 13時) (
レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します！ (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが､死んじゃった……｡泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……！奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました！笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します！ (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………！(感動)ありがとうございます！！解釈一致です！！これからもよろしくお願いいたします！！ (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かくも。 | 作成日時：2023年11月4日 19時
