in. 三重高専 / 鈴 with.天羅 ページ17
※天羅さんとの初対面です。
「鈴先輩。こんにちは」
「あ………こんにちは………。二度目、だね………会うの………」
「そうですね。あの時は夜の三重高専でしたけど」
「うん………」
無表情で、鈴先輩が言う。鈴先輩は机に座って、わたしは立っているからか、いつもよりも更に身長差が凄いことになっている。目がちかちかしそうだ。
「星来って、身長大きいんだね………」
「鈴先輩は、小さくて可愛らしいですよ」
「もう………またそれ言う………だから………やめてって………」
一日一回はこのやりとりをしないと元気が出ないかもしれない、だなんて、そんな呑気なことを半ば本気で思っていると、
「鈴は初心じゃなあ。顔がトマトのように赤くなって、面白いぞ!」
どこからともなく、子供のように弾んだ声が聞こえてきた。え、鈴先輩の声じゃない。
ということは、まさか。
「よろしくな、星来!妾は、天――――――って、呪力を纏って構えるでない!妾は高専に登録済みの呪霊じゃぞ!?」
「………その話、本当ですよね」
「当たり前じゃ!第一、未登録の呪霊は高専内に入れないじゃろ!?分かったら、臨戦態勢をやめろ!!」
「…………」
わたしは無言で警戒の姿勢を解く。鈴先輩はまたもや無表情で言った。
「天羅………。急に出るから、星来もびっくりしたんだよ………次から気をつけてね………」
「びっくりとかそういうレベルではない気もするが……まぁそうだな。気をつけよう」
「この方が、鈴先輩に受肉した呪霊なんですね」
「そうだよ………名前は………天羅………」
「よろしくな。禪院の娘」
そう胸を張った天羅さんを、じっとわたしは見やる。無言で探るような視線を向ける。
「な、何じゃ?妾の顔に、なにかついておるか?」
天羅さんは宙に浮きながら、のけぞるような姿勢を取った。わたしは「………いえ」と返す。
「鈴先輩と同じで、可愛いなって」
「な!?わ、妾は鈴と同様、その言葉にはまだ慣れていないのじゃ!それを言うでない!」
「赤くなって………可愛い」
「だから!お主話聞いておるか!?」
「ね………可愛いよね、天羅………」
「はい、とっても」
「鈴まで………!や、やめるんじゃ、恥ずかしい!」
禊萩鈴先輩と天羅さんは、わたしの先輩である。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時