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自分のことは鈴と呼んで欲しい、と言うので、わたしは鈴先輩と呼ぶことにした。



しかし呑気に仲良くなってるわけにもいかないので、鈴先輩の最低限の情報は仕入れておく。




「鈴先輩は、呪術師ですよね?何級なんですか?」

「一級だよ…………」

「一級!?、お強いんですね…………」

「なにそれ………。星来のほうが、強いんじゃない………?」

「え?」

「なんとなく、分かるよ……………なんとなくだけど………」



可愛いだけじゃない。一級に驚いてしまったが、全く伊達ではなかった。


わたしは等級を言った覚えがない。それなのに相手の強さが分かるのは、間違いなく強者の証だ。

きっと、鈴先輩は物凄く強い。下手したら、制御できないほどに。




あまり気を抜いてはいけないな、と思い直した。




「あの、先輩の術式は………?」

「術式………?知ってどうするの……………?」

「!、………いえ、純粋な興味ですよ」

「そう………?まぁ、いいけど…………。術式は、五神通だよ…………」

「五神通………?」



御三家生まれのわたしでも、初めて聞く術式だ。きっと余程珍しい術式なのだろう。



「うん………。呪力を纏う場所で、効果が変わるの………。例えば耳だったら、全部の音が聞こえて、聞き分けも出来るとか………」

「それは………、強力そうですね」

「うん、まぁ………私の術式じゃ、ないし………」

「?、それは、どういう…………」




わたしがそう言うと、鈴先輩はおもむろにわたしの目をじっと見てきた。



「?」

少し戸惑って、顔をそらす。それでも先輩はやめない。



相変わらずの無表情だ。全く何を考えているのか分からないが、きっと何か、ある。


そうわたしが勘繰っていると、やがて、ふ、と鈴先輩は口元を少しだけ緩めて、言った。




「私………秘匿死刑囚に………なったことある、から…………」


「!?、」



秘匿死刑囚。それは穏やかじゃなさそうだ。思わずわたしは、身を乗り出していた。

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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時

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