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「あの、名前を教えてもらえませんか?」
わたしがそう言うと、女の子はきょと、と可愛らしく首をかしげた。
「言ってなかったっけ………。
「禊萩………。三重高専の方ですよね」
「うん、そう…………。二年生…………」
「えっ」
「えっ」
先……輩?わたしは一瞬固まった。
いやだって、どこからどう見ても可愛らしい幼女(失礼)にしか見えないこの子が、わたしより年上だなんて、誰が思っただろうか。
一応初対面だから敬語で話していたけれど………無闇にタメ口をきかなくて、本当によかった………。
ついでに、所作もいちいち可愛らしいな。無表情だが、その動きには感情がある。
それにしても、童顔って恐ろしい………。そんなことを思ったのは、秘密だ。
「どうしたの………?私が二年生って、そんなにおかしい………?」
「えっ、あのいや、禊萩先輩って可愛いなと思って」
「え?」
「あ」
しまった……何を言ってるんだ、つい本音が。
禊萩先輩はしばらくフリーズしてしまった。顔の前で手を振ってみせるが、反応はない。
「か、かわいいって、なにそれ…………もう、慣れてないから、やめて…………」
と思ったら、顔を真っ赤にしていきなりしゃがんでしまった。何この可愛い生き物。好き(?)。
「いや、本当ですよ。禊萩先輩は可愛いです」
「ちょっ…………だから、それ、やめて…………慣れてないの………」
「可愛い(そうだったんですね、すみません)」
「逆だし………やめてよ……恥ずかしい………」
「何だこの可愛い生き物」
「禊萩だよ………可愛くないって………話聞いて………」
禊萩先輩が顔を真っ赤にして、そろそろ限界そうだったのでやめてあげた。可愛い………
あまり身近に、こういう庇護欲をそそるタイプがいなかったせいか、凄く愛らしく感じる。禊萩先輩パネェ………
と、一人で宇宙を背負っていたら、しゃがんでいた禊萩先輩がすくっと立ち上がり、言った。
「それより………名前………教えて………」
「え、あ………わたしですか?禪院星来です」
「星来か……。どういう字…………?」
「えっと、星が来るで、星来です」
「………!」
ふ、と鈴先輩は目を大きくさせて、おもむろに顔を上げた。
「星か………。いい、名前だね」
そして、年相応の優しい笑みを浮かべたのだ。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時