６人の大男と、１人の小娘。

「一時停止は必須事項」 ページ36

Taiga side





着替えや掃除の時間と休憩時間を兼ねて、３０分貰うことが出来た。

俺らだけの撮影だし、事務所だから、

後に仕事がない限りはいくらでも延長は利く。


いつも脱線ばっかで予定通り終わることなんて無いから、

特に時間に関して焦ることもなかった。



『きもちわるいぃ………』

京「気持ち悪いかぁ…そうだよね、頑張ったもんね、もうちょっとでよくなるよ。」



俺の伸ばした太ももに頭を乗せて、横にさせた。

Aの足はスタジオにあったマットで高くして、貧血の対処はしてある。

後は少し休めばよくなる、と北斗が。


熱で逆上せたみたいで、額や首を冷やしているけれど、

あまり体調に変化は見られない。



森「やっぱ最初から休ませればよかったんだよ。」

高「本人がやりたいって言ったわけだし、止める必要はなかったって。」

森「でもしんどそうじゃん。今…」

高「体調なんていつどこで悪くなるか分かんないから。しょうがないの。」

田「しんたろ。Aの我慢癖は今に始まったことじゃねえから。なあ？」



血が付いてしまったらしく、着替えを済ませた慎太郎と

スタジオの掃除を手伝っていたこーちと樹が何か話している。


慎太郎の表情から、あまりいい話ではなさそう。


俺はそっとAの耳に手をあてがった。

ぎゅ、と瞑っていた目が開いて、俺と視線がかち合う。



京「ん？まだ気持ち悪い？」

『んーん、みみ、おちつくから…』

京「そっか。じゃあこのままね。もうちょっと目瞑ってようね。」

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