何万回だって「＿＿＿＿。」 (ページ16)

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青

あの日から、小瀧が体調不良で部活を休むようになって

俺自身も部活に身が入らず、昨日軽く捻挫をした。

シゲにはこっぴどく怒られたし、

濵ちゃんには思いっきり笑われた。

桐「ほ～、捻挫ね。大丈夫なん？試合とか。」

藤「近々で試合はないから大丈夫ちゃう？」

桐「ほんまに呑気な部長さんやなあ？」

ほんで、ここでもゲラゲラ笑っとるのが体育のセンセイ。

濵ちゃんと同じくらい優しいセンセイやねんけど、

濵ちゃんとは違った優しさの種類やねんな。

体育は見学せなあかんから、体育館のステージに座ってると

隣に桐山センセイがどかんと座ってきた。

桐「どうよ、部長は。」

藤「ほんまに大変。」

桐「小瀧の話、聞いたわ。大変やったなあ？」

藤「ん、まあ……んで、あいつ元気なんすか？」

桐「本人は元気よ。ただ神山が参っちゃってな、そっちに付きっきりやから部活行けてへんねんて。許したって？」

神山…？

きっと、例の小瀧の友達のことや。

未だ直接あったことはなくても、

話だけは十分すぎるほど聞いとる。

なんかもう会ったことある気でいたわ、俺。

藤「そんなしんどいんすか？」

桐「元から丈夫な子じゃなくてな。やからやと思う。」

遠くを見据える桐山センセイは悩んどる表情をしとった。

担任なんやったっけ、確か。

相当ストレスが掛かったってことだけが分かるだけで

あとはさっぱりやからなぁ……

桐「…んで、女子泣かした話は？」

藤「勘弁してや。」