は じ め ま し て 、 化 物 で す 。

化物と本来の目的 ページ4

貴方side



私が今いるのは、荒れた本丸の門の前
世でいうブラック本丸というもので



政府より、役人を解雇されて
私はここの審神者になった



理由は、"霊力が多く、刀が使えて戦えるから"



…何て、言っていたが
そんなのは表の理由でしかなくて

本当は、荒れたブラック本丸に送り込んで
刀剣達に私を殺させるため

殺さなかったとしても、
こんのすけも物資の支給も無いため
餓死するのを待つ計算だろう


それほどまでに私は危険で、必要のない存在
でも、殺せば政府の印象が悪くなる

きっと刀剣達に私を殺させて、
後でその刀剣達も刀解しようと
考えているのでしょう


『凄い荒れよう…』



？「行きましょう、時雨様」



私の肩に乗るさっき喋った白銀の狐
この子は柊
私の相棒で何時も一緒にいる



『そうね』



柊「…時雨様
やはり、入る前に三日月様を呼び出しましょう」



『なにか感じるの？』



柊「いえ、ただ、何があるか分かりません
用心に越したことはないかと」



『そう、じゃあ…』



三日月を鞘から抜き取る

研ぎ澄まされた刀だから
刃部に触れて指を横に動かせば、
皮膚が切れて血が出てくる

その血を刀身に付けながら願う

"三日月、我の元にお出でください…"と

桜が舞って三日月が現れる
閉じていた瞼を開け、その瞳に私を映すと笑った



三日月「呼んだかね、主」







私は名前を呼ばれたことがない

親友の皐月も柊も私を時雨と呼ぶ
三日月は主と呼ぶのだ

私は主ではないのでそう呼ぶなと
何度か言ったが



三日月「しかし、助けてくれた恩もある
主と呼んでもいいだろう？
それに、主の霊力は心地がいい」



だそうで







三日月との出会いは
ブラック本丸の刀を整理していたとき
傷ついたまま放置された三日月を見つけて

霊力を流し、傷ついた三日月を治したことから
私を主と呼ぶようになった



でも、私は他の人からはこう呼ばれている








_____"化物"、と…____







それもそのはず、だって私は
折れた刀さえも治してしまうほどの
霊力を持っているから

人は力がある程度強ければ尊敬するが
時に強すぎる力を持つものを
人以上の者とし、化物と呼ぶ



私はそんな者なのだ






『…さて、三日月、柊、行きましょうか』



目の前の荒れた門に触れ、霊力を流す
パキンッと音がして呪符が破れ門が開いた

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