は じ め ま し て 、 化 物 で す 。

化物と主 ページ15

貴方side



『その後は早いものでした
噂というのは良くも悪くもすぐに広まるものです

"折れた刀を直した化物"

いつしか私を人間としてみる人は
いなくなりました

私は化物と呼ばれる理由です』



私の過去を話終えたとき
この空間を静寂が支配した

それを破ったのは



？「そんなの酷いよっ！
主さんはなにも悪くないのに！！」



乱藤四郎だった



薬研「乱、ちょっと落ち着け」



乱「でもっ、薬研だってそう思うでしょ！？

主さんはその審神者さんにとって
良いことをしたのに、蔑まれて…

主さんはボクたちを、
また皆と会えるようにしてくれた
そんな優しい主さんを化物なんて…

そんなの酷すぎるよ！」



乱藤四郎は泣きそうな顔をして薬研に詰め寄った
他の短刀達も辛そうな顔をしている

取り敢えず乱藤四郎を落ち着かせようと
声を掛けた



『乱藤四郎様』



乱「っ！」



ビクッて体を震わせてこっちを見た乱藤四郎は
少し震えてて、恐怖心を煽ってしまったようだ

怒ってないから、取り敢えず誤解を解こう



『乱藤四郎様、

私は怒っていません
むしろ、感謝しているんです

化物と呼ばれた私を
そんな風に思ってくれる人は少ないですから

だから、





そんな泣かないでくださいな』



乱藤四郎に近寄った私は
ぽろぽろと溢れる涙を優しく拭った

途端に、号泣し始め何故か飛び付かれた

それを境に他の短刀達も飛び付いてくる
皆して泣くから蔵の中はてんやわんやで

取り敢えず、抱きついた短刀達の頭を撫でたら
何故かもっと泣かれた



解せぬ←







・






乱「これからよろしくね、主！」



あの後、泣いた短刀達を慰め離れさせてる最中に
三日月と柊が帰ってきて、事情を説明し
皆泣き止んでやっと落ち着いた

そして、前述の乱藤四郎の言葉に戻る



『主？』



"なぜ化物と呼ばない？"

そんな疑問が雰囲気に出ていたみたいで
薬研藤四郎が補足をするように話始めた



薬研「悪いが、俺っち達は
あんたのことを化物なんて呼ばねーよ」



太鼓鐘「そうそう、主がいなかったら
俺達、また皆で笑えなかったしな！！」



不動「こんなダメ刀にも
優しくしてくれるんだからなぁ〜、ﾋｯｸ」



小夜「主がいい人なのは
皆霊力を感じて分かってる、から…」



うんうんと皆頷いてるけど
霊力を感じて分かるものなのか…？

それに他の短刀達も異論は無いようで
皆、にこにこと笑ってて
三日月も柊も見守るように微笑んでる

化物と名前→←化物と過去語り

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す