は じ め ま し て 、 化 物 で す 。

化物の目覚めと今剣 ページ13

Noside



三日月が出ていった少し後
少し唸った柚月はゆっくりと目を覚ました



貴方「んんっ…ふぅあ、ふ…」



今剣「おきましたか！」



貴方「んぅ、三日月？

…っ違う、ん"んっ、今剣様でしたか
寝起きでして申し訳ありません」



目を擦りながら起きた柚月は
今剣をみて少し驚いたが、すぐにふわりと笑った



貴方「今剣様がいるのなら
明かりをつけましょうか」



そういって柚月は立ち上がり
ガサガサと周りを探る
そして欲しいものを見つけたのか"あった"と
声を漏らした



今剣「なにをみつけたのですか？」



貴方「灯台です
暗いのは嫌いでしょうから」



ぼぅっと淡い光を放つ灯台に
照らされた柚月の顔には白い布が被されていた



今剣「なんでぬのをつけてるのですか？」



貴方「あぁ、これですか？
今剣様を折ったのは私ではありませんが
同じ審神者で同じ人間です
治したばかりの今剣様は少々過去を思い出して
嫌な思いをすると思ったので

…まぁ、私は人間では無いようなもので
化物と呼ばれてきましたが
外見は人間と同じですから」



今剣「なぜですか？」



貴方「え？」



今剣「なぜ、"にんげん"なのに"ばけもの"なんて
いうのですか？」



貴方「…三日月から聞いておりませんか？」



今剣「みかづきさまは"じぶんできけ"と
いいました。
だから、ぼくはききにきました。」



貴方「そういうことですか…

わかりました、お話ししましょう
その前に先程から扉の方にいらっしゃる方々も
そんなところにいらっしゃらないで
此方においでくださいな」



柚月は誰もいない扉に向かって声をかけた
するとぞろぞろと影が近づいてきた
そして、その影が淡い明かりに照らされたとき
顔が見えた



貴方「おや、皆様でしたか」



そこには薬研藤四郎をはじめとした短刀達が
揃っていた



薬研「三日月の言ってたことが気になってな」



貴方「そうですが…
聞いても面白くないですから
もし気分を害したらいつでも無理せずに
休んでくださいね」



前田「わかりました」



蝋燭の僅かな灯りに照らされた空間
白い布を付けたひとを囲むように座る短刀達



『そうですね、先ずは自己紹介をしましょうか
私は皆様のことを知っていますが、
皆様は知らないでしょう

私はここの審神者となりました
ほぼ人間では無いようなものなので
どうぞ"化物"とお呼びくださいな



…では、私が化物と呼ばれた理由を
お話ししましょうか』

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