152話(日曜日分) ページ9
〜雪希Ｓiｄn〜
『それにさ、雪月光葉流は血を吸う以外でも･････強くなれる方法があるんだ。』
私は師匠の言葉を思い出す。
師匠は悲しそうな顔をしながら雪月光葉流が妖刀専用の流派だって教えてくれたっけ。
その時の師匠は本当に別人だった。なにか、昔を懐かしむような･････とても辛そうな顔をしていたのを今でもはっきりと覚えている。
山本「雪希？」
雪希「えっ？あ、あぁ･････ごめん、ぼーっとしてた。それで･････何を話していたっけ？」
山本「だから、雪希は他の人に習うべきだと言ってたけど俺はそうは思わねぇんだ。」
山本さんは自身の刀を見ながらそう言った。
その目は少し前の私と全く一緒の目色をしていて、なぜか胸が痛む。
関係ないはずなのにこんな気持ちになるってことは･････やっぱり私は彼らをどこか心の奥深くで“信じたい”って思ってるんだ･････。
雪希「なんで？私達は刀の用途も、流派も違う。教えてもらうならそこにいる晴れのアルコバレーノか、キミの父親の方がいいんじゃない？」
山本「基礎と時雨金時の使い方、ある程度のことは教わった。だけど実戦で通用するか･････それはまだわからない。いくらいい刀を持っていても俺の技術があってこそ完全無欠だろ？」
雪希「はぁ･････物は言い様って言うけど･････キミの場合ただの屁理屈じゃん。」
呆れながら私はそう言った。
そういえば師匠も屁理屈得意だったなぁ。
リボー「まぁ、いいじゃねぇか。基本は教わってんだ。師匠って形じゃなくて、実戦を積ませるって考えならいいだろ？」
雪希「･････そうだね。山本さんは刀の腕前は相当あると思う。
私はスッと目を開いて山本さんの瞳を見つめる。
雪希「でも、山本さん･････キミは正直刀への覚悟が足りない。だから剣士としては･････格下だ。」
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作者名：ダメネコ＆M･Mっち | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2019年9月13日 17時
