181話 ページ38
〜雪希Ｓiｄn〜
思わず殺気を出してしまう。
兄さんは少し慌ててた。
蒼斗「雪希、殺気･････」
雪希「あぁ･････ごめん。つい。」
蒼斗「雪希がそいつを嫌う理由はわかった。でも、なんで僕にその事を教えてくれなかったの？」
雪希「自覚しちゃいけない呪いだから。でもこのままだとどちらにしよ兄さん自ら調べて知ることになるでしょ？」
兄さんは気になったことはとことん調べて理解するまで絶対諦めない性格だ。
なら私が直接言ってナニカをおびき寄せる。
ナニカを始末すれば兄さんは戻ってくる。
もしナニカを始末できなかったら私は死んでるだろうし、兄さんもナニカに乗っ取られる。
本当は自然に消滅してくれた方がいいけど、兄さんの精神が不安定だとあいつは出てくる。
それはこれから先もきっと変わらないはずだ。
だったら早いところ始末して兄さんを楽にさせてあげたい。
雪希「例え私が死んでもあいつは殺す。」
蒼斗「！ダメだよ、そんなの」
雪希「兄さんは知らないだろうけどナニカは兄さんの精神が不安定だと出てくる。そしてそいつの一番恐ろしいところは、残虐性。放置しとけば兄さんが人間じゃなくなる。」
蒼斗「でも！」
兄さんは頑なに私とナニカの戦いを避けようとする。
気持ちはわかるけど、私は兄さんのためなら命だって投げ出す覚悟がある。
蒼斗「･････やっぱり嫌だ。雪希には傷ついてほしくないんだ」
雪希「ごめん、兄さん。もう手遅れだよ。」
蒼斗「え？」
だって、自覚した時点でもう、ナニカは覚醒するんだから───。
雪希「騙してごめんね･････でも、お兄ちゃんを助けたいの･････」
私のその言葉を最後に兄さんの目は黒く染まった。
きっと、ナニカが覚醒したんだ。
覚醒状態のナニカは兄さんと意識が繋がってる。つまり兄さんは自由が効かない状態でナニカの見てる景色を見れるってことだ。
雪希「ナニカ、久しぶりだね。憎くてたまらないけど･････決着は争奪戦でつけようか。」
蒼斗『･････』
絶対兄さんを助けるんだ。
命に変えても───。
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作者名：ダメネコ＆M･Mっち | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2019年9月13日 17時
