夜空の双子はマフィア嫌いⅣ (ページ32)

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175話ページ32

～マーモンＳiｄn～

チェルベッロとかいう女からリング争奪戦について長い説明を受けた。

でも僕にとって今、正直そんなことはどうでもいい。

今重要なのは蒼斗についてだ。

雪希に蒼斗を任された以上、蒼斗を危険な目にあわせるわけにはいかない。

そして、もっとも重要なのは蒼斗のなかに潜むあいつ･････雪希いわく、“ナニカ”がいつ出てくるかわからないと言うこと。

雪希の話だとナニカは蒼斗の精神的な問題で出てくるらしい。

今きっと、蒼斗は精神的に落ち込んでいる状態なんだと思う。

ベルが話しかけてもどこか上の空だし、いつもならうるさいというスクアーロの声にも反応を示さない。

確信したのは僕が直接ナニカを見てから。

あそこまで蒼斗が追い詰められてるって僕は知らなかった。

気づくことすらできなかった。

自分の無力さに呆れつつも、蒼斗が心配なことにかわりはない。

けど、だからといって僕がどうこうできる問題でもないし、きっとやっても無駄だろう。

蒼斗にとって今一番“不安”に感じているのは雪希と戦うこと。

そして、雪希を傷つけてしまわないか･････

そんなとこだろう。

心は見方でも、敵なのにかわりない。

いっそのこと雪希がこっちに来てくれればいいのに･････。

何て考えてしまう僕も、やっぱり雪希を傷つけるのが怖いのだろう。

マーモ「僕はいつからこんな甘くなったんだか･････」

ベル「しし、なにが？」

マーモ「いや、なんでもないよ」

僕はため息をつき、蒼斗に笑いかけた雪希を見た。