夜空の双子はマフィア嫌いⅣ (ページ17)

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160話ページ17

～雪希Ｓiｄn～

夜、山本さんとの実戦形式の試合も終わり、久しぶりにスマホのラインを開く。

トーク画面にはなにも書かれていない。

それはそうだろう。

ついさっき、山本さんと交換したばかりなのだから。

雪希「･････ふふ、また増えた。」

私はベッドに寝っ転び、天井を見上げる。

暗い部屋には、月明かりだけが差し込んでいた。

その月明かりもカーテンの隙間から少しのぞくだけでなんだかさみしい。

雪希「･････友達、かぁ。そんなのもうとっくに捨てたはずなんだけど･････」

なのになんで私はこうしてまた人を信じようとしてるんだろうか？

いや、正確にはしかけてる。

自分でも愚かなことだと思ってはいる。

ずっと前に心は捨てたはずなのに、なんで今さら･････。

雪希「演じなきゃ･････普通を。じゃないと･････“あいつ”がまた、兄さんを奪うかもしれない･････」

兄さんのなかにいるあいつ。

いつ、どこで、出てくるかも

いつから兄さんのなかに存在していたかもわからない得たいの知れない“ナニカ”･････。

あいつがいる限り兄さんはずっと怒りに飲み込まれたままだ。

つまりそれは･････一生マフィアを憎み続けることを意味する。

私は正直、兄さんに自由になってほしい

雪希「まぁ、だからといってマフィアと仲良くしてほしい訳じゃないけどね。」

私の望みは、兄さんのなかにいるあいつを完全に潰し兄さんを解放すること。

そのためなら･････手段は問わない。

それが例え、綱吉を裏切ることになっても。