夜空の双子はマフィア嫌いⅣ (ページ2)

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145話ページ2

～雪希Ｓiｄn～

兄さんとの電話を終わらせ、私はふと昔のことを思い出す。

そういえば私が剣士になりたいって言ったときは琴森さんにも、兄さんにも反対されたな･････。

まぁ、普通に考えたら精神的におかしい時期だったし止められるのも納得だ。

舞姫は精神力を吸う刀。裏を返せば理性さえ残っていれば大丈夫。

戦い方の基礎は琴森さんから教わった。

でもそれはあくまで“刀の基本的な使い方”のみ。琴森さん自身、刀を武器として扱ったことは少ないらしいので、それしか教えられないそうだ。

だから私は舞姫を独自の戦法で強くした。

それは兄さんにも当てはまる。

兄さんは確かに琴森さんからたくさんの戦術を教えてもらっていた。でも、兄さんはその戦術をそのまま使ったことはない。

その戦術を工夫して、兄さん独自の戦術を編み出す･････それが兄さんのすごいところだ。

剣士は戦いながらしか成長できないし、己の刀の扱い方を戦いながらしか覚えることはできない。あとは、基礎修行のみ。

兄さんみたいにほとんどの武器を使える人は己の経験と知恵、そして本番で負けない感性が必要になる。それと手先の器用さも。

そう考えると兄さんはきっと相当の努力をしたんだろうな。

雪希「まぁ、もう昔のことだけどね。今は･････舞姫は進化することはできないし･････」

できない、という言い方は間違ってるかも。

できないんじゃない。

やれない。

私自身の要領の問題だ。

私は武術専門じゃない。だからこれ以上強くなろうとしても不可能だ。

兄さんみたいに並外れた戦闘センスはないんだから。

ほんと、情報なんてどんな役に立つんだろう。

私は･････兄さんみたいに誰かを守れるような強さがほしいよ･････。