道化師と少女 (ページ13)

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朝焼けⅠ ページ13

地を蹴る音の後、金属同士がぶつかる嫌な音がする。早く誰かを呼びに行かなければならない事はわかっているのに足が動かない。

私はその場にへなへなと座り込んでしまった。

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ジャックとこんなに激しくケンカをしたのは何時ぶりだろうか。武器を交えて暫くたって俺はジャックの攻撃にふと違和感を覚えた。

東久邇の話によればジャックはAを狙っている。…ならなぜすぐにAを攫わなかったのか。
ヤツの性格からしてAを攫ってどこか別の場所て殺すなりなんなりしそうなものだ。

そんな事を考えて俺が冷静になるほどに気づく。ヤツは焦っている。何にかは知らないが俺を倒してAを殺さなければならない何か理由がある様な気がした。

「…おいジャック！！…お前何に焦ってるんだ？」

「…っ！！ジョーカー君には関係ないことですよ…早くくたばってくれませんかねぇ！？」

そう言ってヤツの鉤爪が俺の喉を捉える。
…だがその動きは隙がありすぎた。

俺がヤツの顎にロケットをぶつけアッパーカットをきめるとヤツはその場に崩れ落ちた。

こいつに何があったかは後で聞く事にしよう。今はAを家に返すのが先決だ。息を整えながらAの方を向く。

「こいつが起きないうちに早く…」

『もう終わっちゃったの！？もっと楽しませてくれると思ったのに～』

近くの木の上から聞き覚えのある声が聞こえた。
その瞬間に気づく。これは全てヤツの茶番だったのだ。