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片岡「A」
A「はい？」
片岡「前に言ったことは覚えているか?」
A「もちろん！」
片岡「病院が終わったら俺のところへ来い」
A「了解です！」
太田「A！車の準備ができたぞ」
Aは走っている新チームを横目に歩き出す。
今回の骨折で自分の身体には相当負担がかかっている
だろう。
落ち着かない痛みに焦る。
でもここで焦れば負のループに片足を突っ込むことになる。
「日本一であれ」
Aはその言葉思い返し車に乗り込んでいく。
正直病院は嫌いだ。
自分の弱い所が目に見えてわかるから。
浩介「体調はどんな感じ？」
A「んー。落ち着いてると思うよ」
浩介「Aちゃん焦ってる?」
A「焦ってないって言ったら嘘になるかな」
浩介「正直でよろしい」
A「だってさ。みんな成長早いんだもん」
浩介「Aちゃんだって早いじゃん」
A「いーや、男子はもっと早いんだよ！」
浩介先生はAと長い付き合いのため口調も砕けている。
そしてここはAが唯一弱音を吐ける場所。
A「女子ってだけでさ筋肉量も違うし身長も違う。おまけに足骨折。男子に置いていかれちゃうよ」
浩介「大丈夫だと思うよ。Aちゃんは誰よりも野球に対する思いがあついから。」
A「…。」
浩介「よし。じゃあ、今月分のお薬ね。で、次は2回の整形外科の山村先生の所に行ってね。」
A「浩介先生の奥さんでしょ。」
浩介「バレた？笑」
A「だってA。葵先生と仲良いもん」
浩介「え！？そーなの？」
A「うん。肩壊した時に葵先生に見てもらったし」
浩介「あれ、Aちゃんの事だったんだ」
A「そう！Aね、夜桜家好きだよ！！」
浩介「そっか。ありがとう。Aちゃん。そして気づいてるか分からないけどAちゃん自分のことAって呼んでるからね？」
A「あっ！！」
浩介「無理して変えなくても良かったと思うのに」
A「A。Aって言ってたら子供っぽくない？」
浩介「俺はそっちの方が好きだな」
A「そう？考えとく！！じゃあね！浩介先生！！」
浩介「じゃあね。足早く治るといいね！」
A「うん！」
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作者名：瀬戸琉依 | 作成日時：2023年8月20日 17時
