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沢村は打席で先程のAの事を思い出す。
悔しくないわけがない。
痛くてそれどころじゃないのにあの人は最後までチームの事を...
沢村(絶対負けるもんか)
最後まで笑っていた彼女の姿。
哲をはじめ選手全員の顔つきが変わる。
担架で運ばれて行くなかAは1人唇を噛みしめる。
痛いのと最後まで皆と居ることが出来ず悔しい思いでいっぱいだ。
すると会場の外に出るとわーっと歓声が聞こえる。
A「哲さん？」
＜試合を一気にひっくり返す4番の一撃！！＞
＜結城のタイムリーツーベースで8回表ついに青道逆転！＞
哲「A。待ってろよ」
右足の骨折、脱水症状で松葉杖、点滴をつけて会場に戻る
何も聞こえない部屋で1人でいるのは嫌だった
点滴を見てはーっとため息をつく。
あれからどのくらい経っただろう。
A「投げたい…」
早く皆のところに行きたい。
そんな気持ちでいっぱいだった。
ベンチに戻ると嫌な光景を見てしまった。
9回裏ツーアウト。
沢村が白河に頭へデットボールを当てた。
A「っ…！沢村くん…。」
亮介「大丈夫だった？」
A「いえ。全治2ヶ月の骨折です。」
亮介「そっか。」
ツーアウトでマウンドに上がる川上。
ファーストに瞬足のカルロス。
打席には4番原田
原田は気負っていた。
ツーストライク
鳴「雅さん！！俺にも取っといてよ！！全部いいとこ持っていかないで！」
晴香「雅さーん！大丈夫です！！」
国友「1点でいい。延長になれば最強が居ない青道には勝てる」
原田「よしっ。」
何かが吹っ切れたように見える。
ノリが投げた球は右中間へ打たれた
「「うぁー！！！！！！」」
歓声があがる。
A「ノリーー！！！！鳴抑えろーー！！」
川上(はぁはぁ。A？ああ。そうだ。Aが立てないから。今のエースは俺だ！！)
鳴に対する1球目。
カキーン！！
《フェンス直撃！！！！》
「「「うぁー！！！！！！稲実！！」」」
《西東京の頂点に輝いたのは稲城実業高校！！》
【青道高校予選敗退】
A「沢村くん。整列だよ。」
Aは松葉杖をつきながらグラウンドへ出る。
みんな泣いている。
A(私のせいだ。私が痛みを我慢しなかったから。泣いたらダメ。泣く資格なんてない…。)
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作者名：瀬戸琉依 | 作成日時：2023年8月20日 17時
