第六十五話 ページ19
「ごめん……なさ…い…」
その声は凄く弱っていて、絞り出したような声やった。
でも紛れもなく大先生、俺の幼馴染みの声。
聞き間違えるはずもない、生まれてからの付き合いやで？
そこで庭園での事を思い出し、傷を思い出し、今の状況と当てはめる。
幼児虐待……やな。
何も考えずに扉を無理矢理蹴って開けた。
幸い鍵は付いていなく、勢い良く開いてくれた。
そこには、驚いて振り向いたナーレと…床に転がり意識を失った大先生がいた。
フッと頭が熱くなり、気づけば右手に木刀を持っていて、ナーレも床に倒れていた。
「コッコネシマ様！！？」
そう叫ぶ護衛を無視して、大先生に駆け寄る。
とても疲れているようで、グッタリとしていた。
その後は色々と大変やった。
クレウヤのメイドやら執事やらに驚かれて叫ばれるし、レイウスさんは状況が飲み込めずにアタフタしてるし。
どう言う事かを分かりやすく説明し、大先生の傷を見せる。
レイウスさんはどうやらこの件に関しては何も知らなかったようだ。
何でこんなに大勢いて、誰一人嘘に気が付かないんや？
それから、レイウスさんの行動力は目を見張るモノやった。
すぐに大先生の治療をして、離婚手続きやら処分やらを光の速度で決めていった。
レ「6歳とは思えませんね……本当に、ありがとうございました」
何度も謝られ、感謝された。
気づけなかった事を相当悔いているようだった。
他の貴族に、同じ階級の貴族に……堂々と頭を下げれるのは、彼の良さだろう。
普通だったら、首を突っ込むな、6歳如きが。
そんな事を言う奴らも少なく無いだろうに……
う「………んぅ？」
『大先生！！起きたか！！！』
う「シッマ…？……って…ぇ」
治療をされ、包帯を巻かれたり薬を塗られたりしている自分の体を見て、驚いていた。
何があったのかを察したのか、泣きそうな顔をしていた。
『どうしたんや？痛いんか？』
痛み止めは塗られているはずやし…
う「ぅ……ごめんなぁ……迷惑かけてぇ……」
『は？』
自分でも気づかない内に、子供とは思えない…ドスが効いた声が出た。
何がごめんだ。
何が迷惑だ。
一番痛かったんは、苦しかったんは、お前やろ？
今だって泣きそうなん堪えてるやん。
『…せやな』
う「ホンマに……ごめんなぁ……」
『…何で相談しなかってん』
そう言うと、驚いた弾みで涙が大先生の目から落ちた。
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通りすがりの腐女子ｨ！ - 控えめに言って神作者。 普通に言って神(×114514)作者 (2020年11月21日 20時) (
レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ファイトです！楽しみにしてます！ (2020年6月15日 6時) (レス) id: f4ba5b6840 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - レモンです。田中Jr.、田中って…脱獄ですよねww (2020年6月14日 18時) (レス) id: f4ba5b6840 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あの…グルッペン･フューラーです。ヒューラーじゃなくて。 (2020年5月13日 14時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - あんりさん、コメントありがとうございます！無理しない程度に頑張らさせていただきます！！ (2020年5月2日 12時) (レス) id: ca685f05f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰でしょう？ | 作成日時：2020年4月30日 8時
