綺麗がろくじゅう ページ11
成り行きで交換したLime。何故か小林さんは嬉しそうに携帯を掲げていたけど、私は複雑だ。委員会のグループならまだしも、個人でやり取りなんてほとんどしないだろうに……。バドミントンラケットのアイコンを眺めながら思う。
「佐久早は……もう交換してんだっけ」
「……ん」
「はぁ〜ズリィ！ボクより早く端山センパイと繋がりやがって！」
佐久早くんと仲良さそうに話す小林を横目に、私は立ち上がって机を元に戻す。そろそろ帰ろう。掌はインハイ間近で忙しそうだし、今日は1人で帰ろうか。
終わったグループから帰っていいとの事だから、バッグを持って教室を出た。
……やっぱり、佐久早くんと以前のように話すのは無理だったな。
期待が無かったと言えば嘘になる。寧ろ委員会に行く度に期待感を膨らませているようにすら思う。同じグループにならないだろうか、また勉強の事を話せるのではないか、また……綺麗な彼の隣で安心できるのではないだろうか。
でも現実はいつも上手く行かない。私が願えば願う程、理想は遠ざかる。何も考えずに居心地良く過ごしていたあの頃に戻れたら、どれだけ良かっただろう。未だに佐久早くんの隣以上の場所は見つけられずに居る。
「あの」
『！』
「端山、さん……」
くぐもった声に泣きそうになる。駄目だ、泣いたら無駄になる。私が我慢した今までが、全部。
舌を噛んで動揺を隠し、振り向いた。相変わらずモサっとしてる佐久早くんがそこに居た。なんでここで目が合うんだろう、さっきまで逸らしてばっかりだったくせに。言う気もない恨み言が浮かぶ。
「……この前は、すみません。それで……頼みがあって。
今度のインハイ、観に来て…くれませんか」
『……』
「優勝、するんで」
『……っ』
あぁ、痛いなぁ……この痛み、分かってくれないんだろうね。佐久早くんはさ。
「人混み嫌いなのは分かってます。……でも」
『もし』
「！」
『もし、優勝出来なかったら……どうするの』
ホント底意地の悪い女だ。さっさと嫌いになってくれれば手っ取り早いのに。そうすれば、私はすぐ諦めがつくのに。
佐久早くんが分からないから……
なんで佐久早くんは言い切ってしまうんだろう。
「優勝します。出来なかった時の事は考えてません」
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すみた先生(プロフ) - 魅亜羅さん» コメントありがとうございます！ちょっとずつ進めていこうかなと思っていますので、気長に待っていただけると有難いです🙏絶対完結させます！ (12月1日 21時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
魅亜羅(プロフ) - 佐久早の恋愛のお話好きで、とても引き込まれる作品です！更新楽しみに待ってます！ (12月1日 1時) (レス) id: 5c7231855f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます！！気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります！！ (2023年1月13日 22時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - この話、めちゃくちゃ好きです！続きが気になりすぎるっっ。楽しみにしています！！ (2023年1月12日 21時) (レス) @page34 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - すみた先生さん» 「大人編も見たい」って意見しかないですもんね笑私としても嬉しいです(*´ω｀) (2022年5月7日 21時) (レス) id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年1月15日 19時
