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白鳥に提示した条件は2つ。
ひとつ。手を貸す間、何人か白鳥から貸し出して私らの仕事の手伝いをさせる事。
ふたつ。白鳥のバックにつく代わりに、私らを探らず私らの行動には口を出さない事。
ちまちまやるつもりだったのに突然降って湧いたこの案件。どうせならとことん利用してやれという事だ。リスクがあるのに変わりはないけど、メリットが無い訳じゃない。何事も無く終われば、手に入る報酬はここ数日間の数倍の額。利益主義の私は、いくら牛島が嫌いでもそういうのに目がない。
「……」
「この人が、牛島さんの元許嫁……まさかPhoenixのボスだとは」
「やっぱ似合わないよねー」
白布、眠そうな長身、そして天童。
『そこの眠そうな奴、名前教えな。呼び名が無きゃ不便だ』
「酷。元々こういう顔なんだけど」
「まーまーこういうヤツだからさ。とりあえず自己紹介!」
「はぁ。……川西デス」
よろしくする気はありません、それを前面に押し出したような連中だ。特に白布、こいつは異常に私を敵視してる。敵だから間違っちゃいないんだけど。
『仕事内容は、簡単に言えば潜入。今から全員、ヤクザになる』
「……天童さん適任じゃないですか」
「人の事言えないカラ」
「服装、顔面、諸々はどうするつもり?俺ら手ぶらだけど」
片手を軽く挙げた川西が無表情で言う。
『道具類はこっちで用意する。3人には仕事が終わるまで私が借りたアパートに住んでもらうから』
「ウッソ!」
『ホント。設定上、あんたらが同じ場所に質素に暮らしてないと面倒臭い』
それぞれの役割を説明すると、相変わらず不貞腐れ顔の白布が口を開く。
「たかが情報集めなんだからハッキングなり何なりすればいいのに」
『……普通のマフィアならそうする。でも相手は昔ながらの組織、情報網はネットじゃ狭い。一番確かで、手っ取り早いのは、内部から情報を得る事。それに、かなり大きい組織だから人手が要る』
「……」
『あと質問、文句は?無いならあんたらの新居行ってきな』
3人を車に押し込み、後はQUEENに任せて私はその場を去った。
「ボスが困ってるって言うのに……!」
「ボスの命令だしなー仕方ねぇよ」
「若利くんに指名されたって事はそれだけ認められてるって事!……てかさーQUEEN、
最近JACKとケンカでもした?」
「黙って座ってねぇとぶち殺すぞ」
「……おー怖い怖い」
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すみた先生(プロフ) - サラミさん» コメントありがとうございます!!気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります!! (2022年8月17日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました!!更新頑張ってください!応援してます!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page27 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年11月28日 19時