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「さっきから"仲間"だの"合併"だの……何の説明もねぇまま、"対等である事"を前提にして話してるが、その前提は正しいのか?
要は、お前らはお願いをしに来たんだろ?組織が壊滅状態なので仲間にしてください、そういう事だろ。もっとシンプルに言いやがれ。
それにだ、Phoenixに頼るなら俺らの事は事前にちゃんと調べろ。うちは利益第一主義だ、ボランティアじゃねぇんだよ」
『…訂正箇所はある?』
「ある」
私の問いかけに応じたのは、それまで黙っていたボクトだった。癖毛はボクトに従うように口を閉ざし、前のめりだった姿勢を少し倒した。
「まず1個。俺はお前らに"お願い"するつもりはねぇ。俺がしたいのは取引だ」
『出来る立場にあると思ってんの』
「出来ると思ってるから言ってんだ。それでもう1個、そっちの利益ならある。俺らには、今のお前らに無いものがある」
ボクトは真っ直ぐに私を見つめて言う。色素の薄い瞳が、私を捉えて離さない。
「金」
『……少しはお勉強してきたみたいだな。こいつの言葉は撤回する。
それで?いくら出せんの?うちが白鳥と1億で手組んだ事は知ってんでしょ。端金は要らない』
「んじゃそれに関しては俺が説明すっかね」
ボクトの隣で頭を掻いたのは、金髪の糸目の男。どうやらowl wallの財務を取り仕切っている人物らしい。
「そっちがいくら持ってんのか正確には知らねぇが、白鳥と組んだって事は、割とうちと似たような金銭状況だってのは察しがつく。白鳥からの報酬1億を足して、多く見積もっても2億は切ってんじゃねぇか?」
『……で、ジリ貧のあんたらにそれを補填するだけの財力があるって?』
「俺らだって最初は明日を覚悟したぜ?それがよ、
7億8300万
これが今の総資産だ。この約8億とそっちの金を共同運用したい。この金と、木兎っつー人間が、俺らがお前らに提示出来る利益だ」
俺からは以上、と言って癖毛と同じ姿勢を取った糸目。と同時に、ボクトが話し始める。
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すみた先生(プロフ) - サラミさん» コメントありがとうございます!!気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります!! (2022年8月17日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました!!更新頑張ってください!応援してます!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page27 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年11月28日 19時