163発目 ページ37
『いっ……つー……』
「ったく無茶しやがって……撃ち抜いた時はアドレナリン出て痛みもそうでもなかっただろうがな、こりゃしばらく左手は使えねぇぜ」
『それくらいの覚悟って事さ』
ドクターはため息を吐きながら包帯を巻いていく。
「揃いも揃って怪我しやがって。お前らの親父に面目立たなくなったらどうしてくれる」
「悪ぃなドクター。俺のは単純なドジ踏んだってやつだ」
「今度俺に治療させたら金貰うからな。分かったら生き急いでんじゃねぇぞガキ共」
「『はーい』」
それぞれ左手、右腕に治療を施してもらい部屋を出る。しかし、外に出た瞬間私らの足は止まった。
「おいおいおい……一仕事終わったばっかだってのに勘弁してくれよ……」
『何の用』
「まずは銃を下ろしてくれますか？」
「そりゃ出来ねぇ相談だな。質問に答えろ」
「……」
「答えねぇ気なら……無駄死にだな」
QUEENが指に力を込めたのを横目で見つつ、私は目の前の奴の動きを警戒した。すると、そいつは急に両手を広げた。
「もういーや！真っ当に聞いてくんねーなら実力行使しかねぇし」
「……ですが」
「元々俺が集めた奴らなんて少しだし、他は知ったこっちゃねぇな。よしっ、気が済むまでやり合おうぜ！その後で聞いてもらうからよ」
銀髪を逆立てた男がジャケットを脱いだ。…owlのボス、ボクトか。先日来た癖毛の男と茶髪の男、後ろにも30人ほどが立っている。しっかし……こっちは仕事と一悶着終わって手負いで、おまけに真夜中に銃二丁でこの量を捌くのは骨が折れる。私としても、それは避けたい。
『……分かった』
仕方無しに銃を下ろすと隣も不満そうに私を真似た。
「やかましいぞー……って何だこいつら。おいJACK、面倒事は勘弁しろ」
『分かってる、部屋を一つ貸して欲しい』
「分かってねぇだろ。……待合室を使え。茶は出さねぇぞ」
「悪ぃなじいさん」
『来るのは幹部だけだ、それ以外はここで待て。変な真似したら全員殺す』
背を向けると、ヒソヒソと声が聞こえる。隣の奴のこめかみに青筋が浮かび始めたが、特に何も言わず歩みを進めた。
「気の強えー奴は好きだぜ！」
こんな時間に元気だな……タフなのかバカなのか、タフなバカなのか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみた先生(プロフ) - サラミさん» コメントありがとうございます！！気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります！！ (2022年8月17日 11時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました!!更新頑張ってください!応援してます!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page27 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年11月28日 19時
