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続けて鳴り響く銃声。部屋の外が騒がしくなってきたが、当の内部は静かなものだった。
『……なんで入ってきた』
「はっ、そりゃあ……バディが絆されそうになってたからだろ」
『その回転の遅い頭をぶち抜いてもらえばよかったんじゃない?』
右腕を抑えるQUEENは、真っ直ぐに私を見ている。居心地が悪くなって視線を逸らした。が、その先には牛島が居た。
「天童、それ以上手は出すな」
「え〜でもコイツ若利くんに向けてぶっ放したワケだし、別によくない?」
「良くない。QUEENを殺すのは惜しい」
「そ。ま、当たんなかっただけマシか」
天童は拳銃を腰にしまって部屋を出て行った。一呼吸置いた牛島が、今度は私とQUEENに視線を向けてくる。
「俺からの提案だ。JACK、白鳥と手を組もう」
『……』
「JACK……?」
「どうだ。さっきも言った通り、俺はお前に自由に生きて欲しい。そして俺の組織ならそれが可能だ」
「おい……JACK、こんなのさっさと断れって。……なぁ、っ……何とか言えよっ!!」
『っ……』
左手で肩を強く揺さぶられる。必死な表情が上にあった。……そんな顔見るの、久々かもね。
「なぁどうしちまったんだよ……!?忘れたのか?俺らがやるべき事は、ボス達に報いる事で、こいつと手を組む事じゃねぇよ。なぁ、分かるだろJACK!お前なら、いや……お前が一番分かってんだろ!」
『……』
「やめろQUEEN」
わざわざQUEENの右腕を掴む牛島。顔を歪めたQUEENが私から手を離す。
「お前は分かっていない。JACKがどれだけ苦しんだか、どれだけ苦しめられているのか……お前の言葉に何も返さないのがJACKの答えだ。10年以上、JACKは苦しみ続けた。俺はもう解放してやりたい。邪魔をするな」
「邪魔って……っざけんなよクソ野郎!
「……苦しめていたのはお前も同じか。なら尚更お前とJACKは離れるべきだ」
「ってめぇ……!!マジでぶっ殺すぞ!」
「自覚があるから逆上する」
埒が明かないと判断したのか、QUEENは同意を求めるように私を見つめた。
「なぁ…叶多……!」
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すみた先生(プロフ) - サラミさん» コメントありがとうございます!!気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります!! (2022年8月17日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました!!更新頑張ってください!応援してます!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page27 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年11月28日 19時