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「お前は白布が撃てない事を分かっていた」
『……何が言いたい』
急に密度が低くなった部屋で、嫌いな声が静かに響く。
「昔からそうだった。お前は、人の心を読む事に長けていた。誰よりも聡く、優しく、そして臆病だった」
『何の話』
「俺は、お前だけは手放したくないと思って、俺達の関係に否定的だったお前の部下を」
今度は言い終わる前に、牛島の胸倉を掴んで、銃口を顎に押し当てた。
『ふざけるな。お前のエゴであの人が死んだって？笑えない冗談だね、死ぬほどムカつく』
確かに否定的だったかもしれない。何度も"牛島でいいのか？もっと良い相手が……"と諭そうとしていたのは覚えている。でもファミリーの決定は1人の幹部には覆せない。それを知ってか、その人はより一層牛島に嫌悪の目を向けた。誰よりも組織に忠実な男だったからこそ、仮にも敵組織との仲良しこよしなんて受け入れられなかったんだろう。
『私はずっとお前が嫌いだ。それを知ってて、なんでまだ食い下がろうとする』
「知っているからだ。お前が、まだ何かを捨てきれずにいる事を」
『……！』
sparrowが消えたあの日、朱雀叶多は死んだ。慈悲深く、弱いあの子は死んだの。これは事実。今の私はPhoenixのJACKで、こいつが求める人物じゃない。
なのに、何だって？私が、まだ、何かを、捨てきれずにいる？
「今もお前は俺を撃てない。俺は知っている」
『っ……』
引き金を引け。衝動に任せて殺せばいい。こんな憎い奴、さっさと殺してしまえばいい。
私は弱くない。生きるために強さを選んだ、だから私は強い。たった一発さえ撃てない私に、生きる価値なんて
「自分を押し殺して生きるな」
『っ！』
「お前はもっと自由に生きるべきだ。俺の組織ならそれが出来る」
『っ、うるさ』
ふざけた事抜かしやがって……何を求めたってお門違いなんだよ。私の大事な人を踏み躙った奴の言葉なんて真に受けるな。間違っているのはこいつだ、私じゃない。
「苦しいだけの生活は捨てろ。お前は悪くない」
『わ、たしは……っ』
否定しろ。全部、こいつの全てを否定しろ。心を開くな。私はこんな慰め求めてない。大丈夫、私は強い。ちゃんと出来る。強く生きていくって決めたじゃないか、贖罪のために、生きるって。
あぁ……なんで
「それが女を口説くやり方かよ」
またも銃声が耳を劈いた。
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すみた先生(プロフ) - サラミさん» コメントありがとうございます！！気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります！！ (2022年8月17日 11時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました!!更新頑張ってください!応援してます!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page27 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年11月28日 19時
