138発目 ページ12
「瀬見さん。ボスがあの3人を不死鳥の方に行かせたのって、何か理由があるんですか?」
「あー……よく分かんねぇけど、天童を行かせたって事は、不死鳥との取引に従順な訳じゃなさそうだな」
「工はまだ詳しくは知らないだろうけど、天童は殺し屋以外に情報屋もやってたんだ」
「そうなんですか!?……いや、まぁ確かにそんな感じはしなくもないな……」
「情報を集めるのは、本人曰く御茶の子さいさいらしいぞ。そのせいで要らんとこまで踏み込んで危ない橋渡るような真似はしょっちゅうだけどな。今回もそうなんねぇと良いけど」
「つまり、ボス……牛島さんは不死鳥の情報が欲しい……?」
「多分正確にはJACKの方だな。色々あんだろうよ、昔の事絡みで」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ふ〜疲れた〜あんなオッサンだらけじゃ最悪だっつーの!」
「でも収穫はありました」
「じゃあ報告会しますか」
俺は敷地内の見取図を卓袱台に広げた。天童さんは床に大の字になって寝転んで、賢二郎は地図に指を乗せて話し始めた。
「この扉、仕掛け扉になってる。幹部が地下に入ってった」
「へーそりゃタイヘンだ。ちなみに人数だけど、俺が確認したのは70人」
俺が言うと、賢二郎は首を傾げ、床の天童さんは"ホント〜?"と声を上げた。
「俺、梶取に聞いたけど100人ちょいだって言ってた」
「俺が見た時は50くらいしか居なかったような気がしたケド」
「……あ、賢二郎が聞いたのは外に散らばってるのも合わせた数じゃ?」
「……だとしたら、お前と天童さんで数が合わないのはどういう事だよ」
おー怖い怖い。牛島さんロスで気が立ってんなぁ……早いとこ終わらせて帰りたい。こんなボロアパートに男3人は流石にキツい。
「確かJACKは、かなり大きい組織って言ってましたよね。極道で大きいって言うと……」
「昔の若利くんのお家で言えば、最低でも60は居たらしいけどね」
「ただ欲しいのは正確な数……これもしかして名前覚えてカウントするのが効率的だったりします?」
「んなアナログな……」
だよねー俺も自分で言ってて気が落ちる。でも、昔ながらのこの組織が、情報を全てデータとして管理してるとは思えない。紙媒体で保管してるのか、それとも親玉もしくは幹部辺りが記憶してるのか。
「んじゃ太一と賢二郎はそれでやってね〜。俺はチョット別視点でやってみるから」
この先輩は本当に悪魔だ。
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみた先生(プロフ) - サラミさん» コメントありがとうございます!!気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります!! (2022年8月17日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました!!更新頑張ってください!応援してます!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page27 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年11月28日 19時