128発目 ページ2
全く恐ろしい人だ我らがボスは。そう思いながらモニターに向かう。
「コイツらか」
「うん」
支部の監視カメラに映っていた、白服と黒服の人間。ニロは画面を睨んで、誰だよと独りごちた。俺達の後ろから、茂庭さんがモニターを覗き込んだ。
「……この白い奴らって、白鳥か?」
白鳥……それは、七大マフィアの中でも圧倒的強さを誇るファミリー。
「白鳥か……だとしても、アイツら全員白い服着てるはずでしょ。なんで訳の分からん黒服と居るんです?」
「それは知らないけど……この紫のネックレス、これは完全に白鳥のメンバーの証だ。……でも、この黒い方……見た事ないな」
知識人な茂庭さんですら知らない人間。ただの雑兵で、俺達が顔を知らないだけだとしても、白鳥がそんな奴らと組むはずがない。アイツらは特に縄張り意識が強い猛獣集団だから、組むとしたら相当な手練。
「赤葦さん!こっちセキュリティの強化終わりました」
「……」
「あぁ、ありがとう作並、青根。一応そのまま待機、もし攻撃来たら対処して」
「了解です」
……それにしても、一体どこの誰が、何の目的でうちに……
「今回は居ねぇみたいだけど……ムカつくぜ、不死鳥の奴ら」
「?何かあったっけ」
「はっ。梟の参謀長殿が忘れてるとは結構な事で」
「二口!……ごめんな赤葦、悪い奴じゃないんだ」
謝る茂庭さんに気にしてない事を伝え、再び二口に目を戻す。口を開かない俺に、遂に二口は不貞腐れた顔で言った。
「この前のパーティーだよ。実力試しだか何だか知らねぇけど、先越されたのが腹立つだけだ」
「だから目の敵にしてる訳か」
「そういうお前はどうなんだよ参謀長。プランはあっさりパァになっちまったじゃん」
「まぁ……あれはあっちが上だったとしか」
実際、ハニートラップが使えるのは女性に限る。うちにも居ない事は無いが、何せ梟も鉄壁もガードが硬い為に前線に出す事は憚られた。
後から知ったけど、段取りも凄かった。いや、あまり敵を称賛したい訳でもないんだけど、感嘆の声を抑えられはしなかった。
「とりあえず……今はコイツらを突き止めるぞ。ここに攻め込まれたらヤバい」
強めに叩かれた画面を見ていた。
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すみた先生(プロフ) - サラミさん» コメントありがとうございます!!気まぐれ更新でホント申し訳ありませんが、頑張ります!! (2022年8月17日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました!!更新頑張ってください!応援してます!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page27 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年11月28日 19時