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三つの幸せ ページ3

私は何故か幽霊になってしまった。

多分、仲直りできてないからだろうけど…





葬式も終わり、研ちゃんが私の部屋を整理していた日のこと。





「A……」


『ばあ〜〜〜〜〜〜〜〜!!』



私の名前を呼んだ研ちゃんの前に現れてみた。

まあ見えるわけないだろうけどね。








………なんかめっちゃ目が合うんだけど




「A…?Aなの…?」



……見えてた!!

私の事見えてらっしゃった!!



『うん。正真正銘、研ちゃんのお嫁さんのAだよ。』




そう言った瞬間、研ちゃんが抱きついてきた。


正確に言うと私はもう実体がないからすり抜けた。



でもすり抜けた後にまた抱きしめてくれた。


実際には触れられないから、研ちゃんが腕を私の周りに回してくれてるだけなんだけどね。


私も抱きしめるように研ちゃんに手を回した。







「馬鹿Aっ!!何で俺なんか庇ったんだよ!!

俺を庇う必要なんてなかったのに!!」



目から大粒の涙を零しながら私に叫んだ。

研ちゃんにそんな顔させるつもりなかったのに。



『何で庇ったって…研ちゃんに幸せに生きてて欲しいからに決まってるじゃん。』


研ちゃんに幸せに生きてもらいたい。

だから庇おうと思ったの。





「お前が生きてなかったら意味ねぇだろ!!」



何で…私が生きてないとダメなの?


私は研ちゃんに迷惑かけてばっかりだった。





『私は研ちゃんに迷惑しかかけてなかったでしょ!!
それに私が生きてたところで研ちゃんに1個も得なんて…!!』



「Aが生きてたらそれだけで…本当にそれだけでよかった。

______もしAが動けなくなっても

俺がどこへでも連れて行くし

俺がどれだけでも支えるつもりだった。





それに…俺たち夫婦だろ?迷惑かけるなんて当たり前じゃねぇか。」



『で、でも…!私は…研ちゃんに迷惑かけることの方が多かったし…!』


「……俺だってたくさん迷惑かけた。お前に酷いことだって言った。

迷惑かけるなんてお互い様だ…。」





私ももう涙が止まらなかった。

研ちゃんが言うことの全てが温かくて優しかった。

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姫雨(プロフ) - たろ。さん» たろ。様!!読んでくださってありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです!!自分でもこれ短いな〜と思いながら書いてました!自分じゃ何回読んでも泣けてないので、読者様に泣いていただけるのが嬉しいです!!コメントありがとうございました!! (2022年6月14日 7時) (レス) id: 8d50c74795 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - えっ短かったのに泣けたんだが…すごいな (2022年6月13日 23時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
姫雨(プロフ) - 桃花さん» 桃花様!!読んでくださってありがとうございます!!15分で構想をまとめ、10時間で書き上げたためやばいかも…なんて自分で思いながら書きましたが、そう言っていただけてとても嬉しいです!!泣いていただけてよかったです(?)こちらこそありがとうございました!! (2022年6月12日 16時) (レス) id: 8d50c74795 (このIDを非表示/違反報告)
桃花(プロフ) - 泣きました。ありがとうございました。めちゃめちゃいい作品です。 (2022年6月12日 10時) (レス) @page4 id: 45cbc35a1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:姫雨 | 作成日時:2022年6月11日 17時

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