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ざわざわと騒がしい店内。仕事を手伝ってくれたお礼と歓迎を兼ねて飲みに誘った。誘われても断る俺が人を誘うなんて滅多にないことだ。でも藤沢さんの話をゆっくり聞きたかった。
女性だしイタリアンなんかがいいかな、と思っていたのだが彼女は居酒屋を指定してきた。
「イタリアンだとデートみたいじゃないですか。」ということらしい。
「藤沢さんはうちの劇団のこと知ってくれてたんだ。舞台好きなの?」
適当に料理を頼んで待っている間、先程のことについて聞く。
「いや、もともと舞台は見たことがなかったんですが、ある公演がきっかけで……」
彼女は手帳から、ぺらりと一枚チケットの半券を取り出した。そのデザインは俺にとってとても馴染み深いものだった。
「それ、ナイランの。」
「そうです。茅ヶ崎さんが主演の。」
藤沢さんはちょっとはにかんだように笑ってみせた。
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作者名:桃 | 作成日時:2020年3月25日 23時