馬鹿みたい ページ46
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んん…
寝返りをした瞬間、温かい温もりに触れて。
重い瞼を開けると、ﾁｬﾝﾐﾝの肩がすぐ目の前にあった。
「…？」
くるくると視線を巡らせて。
すぐに、すっかり朝になっている事に気付く。
少しだけ痛い節々は、昨夜激しく愛しあった証拠。
床に無造作に落ちている藍色の浴衣も。
CM「ん…」
「あ、おはよう。ﾁｬﾝﾐﾝ。」
CM「んー……」
まだ起きたくなさそうに目を閉じたまま。
雑というか、強引に私の肩を抱き寄せるﾁｬﾝﾐﾝに
朝から胸が騒がしい。
ﾁｬﾝﾐﾝと迎える休日の朝は、別格。
忙しく支度に追われる日常ではなく。
いつまでも。
時間の許す限りシーツに包まって
他愛の無い言葉を交わして、触れていたくなるから。
「…あ。私が噛んだのは、消えた？」
CM「え？」
「ちょっと、ごめんね…」
ﾁｬﾝﾐﾝの腕を覗くと。
そこには何も残っていなかったけれど
首筋には、ほんの薄く赤い痕。
確か……
2回目にベッドの上で愛し合った時に
ﾁｬﾝﾐﾝが好きで好きで、そうしたんだ。
だけど。
そんな激しい気持ちになった自分に、今更照れてしまう。
CM「Aさんの太腿にも付いてますよ。
後で見てみて。引くほど濃いから(笑)」
そう言いながら、ﾁｬﾝﾐﾝが私の太腿を撫でる。
外側から……ゆっくりと内側に。
CM「…冷静になると、馬鹿みたいですよね。」
「どうして？」
CM「普段はこんなに穏やかなのに、そういう時は際限ないくらいに理性を飛ばしてる。僕、興奮し過ぎてAさんを抱いてる時の記憶って殆どないんです。」
そして。
布団の中に潜ったﾁｬﾝﾐﾝが私の足を広げて
「やっぱり、痕付いてる」と言う。
うん。
馬鹿みたいだけど。
私をそんなに馬鹿みたいにするのは、ﾁｬﾝﾐﾝだけだよ。
「……っ」
その……きっと、痕になっているという箇所に
ﾁｬﾝﾐﾝの唇が押し当てられて。
厚い舌の感触に、思わず身悶えた。
CM「朝から、嫌ですか？」
そんな風に聞くけれど
私の意思に関係なく、ﾁｬﾝﾐﾝの中で決定しているんだから。
もう。
たったの5分前までは眠っていたのに。
そういえば、しだれ柳を見られなかったな…。
ｷﾞｼ…
そう思いながらも。
最後には結局、ﾁｬﾝﾐﾝとの幸せな朝に身を委ねた。
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作者名：りんこ
| 作成日時：2015年11月5日 21時
