男心をレクチャー -RW- ページ32
-RWside-
Aぴょんの話を聞きながら、現状を把握していく。
なるほど…。
つまりは、キスの事をAぴょんは隠したままで。
ﾁｬﾝﾐﾝさんも知らないフリを貫いている、と。
はぁあ…
バレないように小さく溜息をついた。
「そうだ。昨日、帰り際にﾁｬﾝﾐﾝが言ったんです。」
RW「うん？」
「ｷｭﾋｮﾝをどれだけ気に掛けてくれてもいいけど、僕の事は一番でいて下さい…って。笑いながら。」
RW「…………」
え、なにそれ…。
やばい。泣ける。
ﾁｬﾝﾐﾝさんが健気過ぎて泣ける。
僕の中のﾁｬﾝﾐﾝさんへの好感度が
ぎゅーーんっと急上昇していって。
それと同時に。
無理な我慢して破綻しないでよ…って心配になる。
だって。
それって、ﾁｬﾝﾐﾝさんは2つ目の選択肢を選んだってことでしょ？
「ﾘｮｳｸさん。私はﾁｬﾝﾐﾝと結婚します。」
RW「けっ…こん(笑)？」
眼鏡の奥のAぴょんの目は、いつになく大真面目で。
ぱちぱちと瞬きしながら、その目を覗いた。
「温泉旅行に行った時、2年以内に…ってﾁｬﾝﾐﾝがそれとなく言ってくれて。昨日の朝も、早く一緒に暮らしたいって言ってくれたんです。」
RW「………」
「私の心は、いつでもそのつもりです。
私が男性として好いているのは、ﾁｬﾝﾐﾝだけですから。」
なんかもう。
二人の話を聞けば聞く程、想いの強さに唖然とする。
ｷｭﾋｮﾝ先生の入る隙なんてないって分かる。
ｷｭﾋｮﾝ先生はきっと……
本気でAぴょんに惚れちゃってるんだろうけど。
RW「くく。Aぴょんはﾁｬﾝﾐﾝさん一筋なんだね(笑)」
「はい。」
RW「それはすごい伝わるけど……男ってすぐに自信をなくすから。プライドが高ければ高いだけ繊細だから。
ﾁｬﾝﾐﾝさんもそんなに強くないんだってこと、忘れないでね？」
僕が言えるのは、それだけ。
Aぴょん。
ｷｭﾋｮﾝ先生を気に掛けるのもいいけど。
そのせいで、一番大事なものを失わないように。
ﾁｬﾝﾐﾝさんの心がぽっきり折れたら。
それを考えると………僕はその時が、一番怖い。
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作者名：りんこ
| 作成日時：2015年11月5日 21時
