あたふた・・-RW- ページ24
-RWside-
まさか……まさかとは思ったけど。
ｷｭﾋｮﾝ先生に手首を拘束されたAぴょんに
さすがの僕も唖然とした。
CM「ちっ…」
檻の中で逃げるスキを狙う猛獣のように。
今にも飛び掛かりそうなﾁｬﾝﾐﾝさんを抑えながら。
ああ〜…馬鹿。
Aぴょんの馬鹿。
放っとけばいいのに
なんで自らコトをややこしくするかなぁ…？
…なんて。
それはもちろん、Aぴょんの猜疑心のなさであり
お節介な優しさから生まれるものだけど。
RW「あぁもう、何話してるか聞こえな……」
……？
ほんと………声も出ないくらい一瞬のことだった。
ｷｭﾋｮﾝ先生がAぴょんにキスして…
腰を抜かしたAぴょんが床に座って…
一言何かを言った先生が、奥へ消えていったのは。
RW「………え、と。」
CM「…………」
RW「見ちゃった…よね？」
恐る恐る隣を見ると。
乱闘騒ぎを起こすかと思ったﾁｬﾝﾐﾝさんは
ただ、唇をキツく閉じて黙ったまま。
だけど。
その目は、死んだ魚のように色が無かった。
ｶﾂ…ｶﾂ…
RW「…ちょ、ﾁｬﾝﾐﾝさん、」
そのまま、背を向けて歩き出すﾁｬﾝﾐﾝさん。
Aぴょんが心配だったけど
ﾁｬﾝﾐﾝさんも気掛かりで、その背中に付いて行った。
ﾄﾞｻ…
空になっていた個室に戻ると
ﾁｬﾝﾐﾝさんは椅子に体を沈めて。
CM「…………」
怒ってるのか、ショックなのか、茫然自失状態なのか。
たぶん、どれも大正解。
もう……なにこれ。
なにこの地獄。
RW「…まぁほら。キスくらい余裕だよ。僕の彼女なんてｷｭﾋｮﾝ先生とヤッたことあるんだからね？しかも一回じゃないの(笑)」
一応、フォローのつもりでそう言うと。
は…と、諦めのような、悟りを開いたような
弱々しい笑いを零したﾁｬﾝﾐﾝさんがいて。
「それは同情するわ…」と呟いた。
RW「…どうするの？また殴りに行く？」
だって……僕達はちゃんと見ていたから。
あのキスが、甘い"浮気"のものではなく。
Aぴょんがへなへなとしゃがみ込むくらい一方的なもので、ｷｭﾋｮﾝ先生の強引なものだったと。
CM「……本気、か。悪い予感的中。」
RW「…………」
CM「けど………こっちも、譲れないものは譲れないから。」
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作者名：りんこ
| 作成日時：2015年11月5日 21時
