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大貴「 ほんとに送らなくていい?」
「 いいのいーの。大ちゃんのが心配だから 」
大貴「 いや絶対いのちゃんのほうが…」
いっそのこと誰か俺のことめちゃくちゃにしてくれたらいいのに。
誰にも期待を抱けない、大ちゃんさえ拒絶してしまうくらいの絶望感を植え付けてくれたらなぁ。
「 じゃあね 」
今度こそ振り向かないで暗がりの道を歩いた。
興味がない素振りして、見えないとこで喜び噛み締めながら。
きっと今振り向けば嬉しそうな顔して尻尾振った君が見れるんだろうけど
そこまで俺だってバカじゃない。
「 このままで、いいんだ 」
いつの間にか星が広がる空を見上げて、消えてなくなればいい想いを胸の奥にまた押し込む。
フラフラ歩く道は以外と暗い。よかった大ちゃんを一人帰らせないで。
「 ……いのお?」
少し掠れた低めの声が耳に届く。
明らかに君のじゃないそれに振り向くのは今は少し億劫で躊躇ったけど。
俺の耳が拾うのは、大ちゃんの声ともう一つしかない。
「 やぶ…」
細身な体、少し掠れた甘い声、小さな顔、笑うたびくしゃっと細まる目。
光の心友でもある薮宏太。
「 上京したって…」
昔は好きだった。
優しくて、面白くて、兄みたいだと。
宏太「 …置いていけるかよ、お前のこと 」
でも今は嫌いだ。
俺の恋を見抜いて、やめろと促すこいつが。
不毛な恋をするときに正論をぶつけられるのは1番辛い
「 意味、分かんない…!」
宏太「 待てって、送るから 」
「 うるさい!着いてくんな!」
誤魔化すように、その細い腕を振り払った。
指先が震える。どうしてだろう、こんなに大ちゃんのこと好きなのにフラッシュバックするのはあの日の薮ばっかり。
ずっと傍にいてくれると思ってた。
薮だけは変わらず、俺から離れないって。
だけどそれも結局は勘違いで終わって、泣くのさえバカバカしかった。
宏太「 …遅すぎた、かな 」
後ろでそんな呟きが聴こえて、またそんなの拾ってしまうこの耳が嫌で、全力ダッシュ。
早く、早く遠ざかろう。
このままここにいちゃダメだってそう心が叫んだ。
「 っはぁ、…はっ…」
普段体を動かさないからか大袈裟に肩で息をすることになった。
「 …っなんなんだよ 」
きゅっと握った掌の中に、あいつの気配を感じてどうしようもなくなったまましゃがみこんだ。
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りん - レスありがとうございます!とってもステキなやまちねでした…。ありいのもすごく好きです!依存してる山田くん、もうカッコ良かったです(( これからも神楽様を応援してます!頑張ってください!!! (2018年3月27日 7時) (レス) id: 13aa0fd7e6 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - りんさん» やまちね書いてみましたが…いかがでしたか?短編ですので長々と書けずぎゅっと詰めたものになってしまいましたが…よかったら感想聞かせてくださいね。 (2018年3月26日 15時) (レス) id: 120d45bab3 (このIDを非表示/違反報告)
とびっ子の跳びっ子(プロフ) - 神楽さん» そうですか… お忙しいのにわざわざレスありがとうございます!これからも応援していますので頑張ってください! (2018年3月21日 21時) (レス) id: 7f79df94fb (このIDを非表示/違反報告)
りん - レスありがとうございます!リクエストいいですか??やまちね が見たいです! 先ほど拝見させていただいたありちねに出てきた山田くんが素敵で…。お互いに依存しているやまちねを 神楽さんに描いて欲しいです。お時間あればでいいので、お願いします。 (2018年3月21日 8時) (レス) id: 13aa0fd7e6 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - リクエスト、だめですか? (2018年3月20日 23時) (レス) id: 324f9ed5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神楽 | 作成日時:2018年3月12日 1時