純情浪漫 jump×jump

＊ ページ19

in side







よく泣く君の透明。
ざわめく青葉の緑。
二人で見たオレンジの海。




こんなにも綺麗な世界は
ほら、君と紡ぐ未来みたいだ







MEIJI 、ニューシングル「色」






_______




( たった今解禁された速報です。人気アイドルグループMEIJIが3年ぶりにニューシングル発売決定です。表題曲は本日アメリカから帰国したメンバーの伊野尾慧さん作詞で…)







カランカラン…






あの日よりも明るくなった栗色の髪。







「 な、なんで…っ」




泣き虫なとこも変わってない。
ほらもう、泣きそうじゃん。






「 スーパーアイドルが迎えに来てやったのに、なんだよその間抜けズラは 」








「 けい、さっ…！」



「 …ただいま、涼介 」









( 尚、伊野尾慧さんは恋人との関係を認めてもらえないのなら辞めると直談判し、事務所からのサインを貰った上で今回の帰国を決めたそうです。)








あの日、海でかき消した想い。
蘇るどころか現在進行形だ。








「 りょうすけ、」


涼介「 はいっ…」


「 ずっと、ファンでいてくれてありがとう。手紙もな 」


涼介「 うんっ…ちょっぴり恥ずかしかったけど、へへ 」







くそ、可愛いな、おい。
まって綺麗さ増してない？
手ェ出されてねえよな？

もしそんな奴いたらまぁ………コロス。






涼介「 …なんか今、怖いこと考えてた？」



「 えー？なにがぁ？」



涼介「 っもう…」







膨らんだ頬っぺたを、人差し指で潰せば恥ずかしそうにはにかむ。
その表情が可愛すぎて言葉に詰まった。





「 約束、守ってくれてありがと 」


涼介「 …っ待たせてくれて、ありがとうっ」









世界で一番可愛い君は、素直じゃない俺に愛をくれた。









「 …ご褒美に、俺のお嫁さんになる権利あげる。因みに拒否権なし 」



涼介「 拒否なんか、しないよ、ばかあっ…！」







泣きじゃくりながら胸に飛び込んできた涼介を抱きしめる。








涼介「 ニュ、ニューシングルってなに？！作詞もっ、帰国だって、ぜんっぜん聞いてないしっ…匂わせ得意なんだからっ、ちょっとくらい匂わせたって！」


「 …おい、最後のは聞き捨てならんぞ 」



涼介「 …でも、まあ一先ずは……おかえりなさい、慧さん 」






君が笑うたび、世界が彩やかになるんだ。
ねぇ、キスしよう。手を繋ごう？

そして愛してるって、君に誓うよ。
ほら、幸せになろう。


fin.

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