* ページ18
in side
出会ったときからあまりに綺麗で。
あぁ…この子の生きてきた世界は俺がいたとことは違うんだな、なんて思った。
顔だけじゃなくて、心まで綺麗なんだからほんと、勘弁してほしいよ。
ファンなのに出しゃばるどころかもどかしいくらい謙虚な姿に何度胸を打たれたか。
君のいる世界を黒で塗りつぶしてしまう。
あのね俺は、君がいうほど強くないんだ。
好きな人を隣で、いや少し前で守れるほど、まだ出来た人間じゃない。
「 んな泣くなよ。永遠の別れじゃないんだから。てかファンならもっと喜べって 」
涼介「 …ごめんなさっ…」
あーもう。そんなに擦ったら赤くなっちゃうでしょーに。
「 ばか…こっち向け、」
涼介「 けいさんっ…」
ほんのり赤くなった瞳が、涙を溜めて俺を見つめる。
たまらなくなった胸を隠して優しくそれを拭った。
「 ったく、世話がやけるなお前は 」
涼介「 ごめん….なさい」
ぽろり、また一粒。
涼介「 ひゃっ…」
星屑みたいにこぼれる涙を、舌で掬った。
けいさん、って舌ったらずに名前呼んじゃって。
煽ってるの分かってるんだろうか。
いやきっと、この子のことだから分かってないんだろうな。
そーいう無垢なとこ、眩しすぎてイライラする。
だけどそのイラつきに勝る愛しさが、今まで芽生えたことない優しさを引き出すんだ。
涼介「 すっごい綺麗な青だね 」
「 だろ?ここ穴場 」
ピンクの貝殻を集めて、ハートの形を作る。
子供か、って思うこともこいつから愛しいと感じる胸。
漣に攫われそうなはかない横顔も、甘い声も、全部好きだと素直に思えた。
二人で砂浜に座って夕焼けに冷められそうな海を眺める。
「 …あっちで、基礎から学ぼうと思う。」
チャポン。
一つ、投げた貝殻が海へ沈んだ。
言いたいことは山ほどあるのに、必要最低限しか言えない。
涼介「 ……うん。応援してる 」
「 それでもファンでいてくれる?」
涼介「 もちろん!約束!」
さっきの涙みたいなささやかな二人の秘密。
指切りして、その先の言葉を飲み込んで、「帰ろっか」と自分でこの時間に終止符を打った。
涼介「 送ってくれてありがとう…向こうでも、頑張ってね。」
待っててなんて、無責任なことは言えない。
「 …スーパーアイドルになって帰ってくる 」
青葉のついた桜の木下。
泣き虫な君が微笑った。
291人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん - レスありがとうございます!とってもステキなやまちねでした…。ありいのもすごく好きです!依存してる山田くん、もうカッコ良かったです(( これからも神楽様を応援してます!頑張ってください!!! (2018年3月27日 7時) (レス) id: 13aa0fd7e6 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - りんさん» やまちね書いてみましたが…いかがでしたか?短編ですので長々と書けずぎゅっと詰めたものになってしまいましたが…よかったら感想聞かせてくださいね。 (2018年3月26日 15時) (レス) id: 120d45bab3 (このIDを非表示/違反報告)
とびっ子の跳びっ子(プロフ) - 神楽さん» そうですか… お忙しいのにわざわざレスありがとうございます!これからも応援していますので頑張ってください! (2018年3月21日 21時) (レス) id: 7f79df94fb (このIDを非表示/違反報告)
りん - レスありがとうございます!リクエストいいですか??やまちね が見たいです! 先ほど拝見させていただいたありちねに出てきた山田くんが素敵で…。お互いに依存しているやまちねを 神楽さんに描いて欲しいです。お時間あればでいいので、お願いします。 (2018年3月21日 8時) (レス) id: 13aa0fd7e6 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - リクエスト、だめですか? (2018年3月20日 23時) (レス) id: 324f9ed5ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神楽 | 作成日時:2018年3月12日 1時