純情浪漫 jump×jump

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「 教育実習としてこの学校で一週間お世話になります。薮宏太です。因みに卒業生。」







( えー！薮先輩久しぶりっす！)


( てかやっぱイケメン！)








「 あはは。じゃあ、お前ら宜しくなー？」









普通教育実習ってこんな早いもんなのかよ…
机に突っ伏したまま、薮の登場にはしゃぐ大ちゃんを横目で見た。






大貴「 いのちゃん！嬉しいね！」


「 んー？…んー…そおだね 」






大貴「 薮くん！久しぶりー！」








いつから好きだったんだっけ。
それももう分からないくらい前だということは確かなんだけど。








宏太「 おう。相変わらずちっさーな 」


大貴「 薮くんは相変わらず意地悪だね！あーやだやだ！」









頭を撫でながら、俺の方をチラリと見やる。
分かってるってば。

その視線の意味も、昨日の電話も。






「 大ちゃん、ちょっといいかな？」


大貴「 へ？え、あ、いいけど…どしたの？体調悪い？」


「 ううん…ちょっと二人で話したい 」






授業が始まる10分前。
返事を聞く前に君の手を引いて駆け出した。

クラスメイトに変なやつと言われようと、薮に呆れられようともうどうだってよかった。






「 大ちゃん、」







だって、だってさ。
こんなにも君が好きだ。







「 …ひかるのどこが好き？」



大貴「 っは？…まっ、て…はぁっ…そんなこと、聞くためにっ？」









空き教室で、二人きり。
君は息を整えて一回笑ってから、語りだす。


猫が苦手なのに道端にいる子猫放っておけないお人好しなとこ、
自分が思ってるよりもバカだけど頭の回転は早いとこ、
趣味のベースは自分だけが知ってるのは勿体ないくらいカッコいいこと。







それでね、あのね、って。
夢中になって光のこと話す大ちゃんは悔しいくらい可愛くて、気を抜いてぼおっと眺めてたら「いのちゃん？聞いてる？」なんて顔を覗かれた。

それがたまらなくなって、だけど感情に任せて気持ちを言えるほど青くもない俺は何でもないよと笑ってみせた。









「 …ふふ。ほんと、好きだね。光のこと 」


大貴「 うんっ。だいすき！」









最初はさ、光のこと好きになれないって思ってたし隣にいれるのが憎かったけど
今は普通に好きだし、こんな表情が見れるならいいやって思えてしまうんだ。

いつからか、君の幸せを願えるくらいにはなってた。
それくらい君が好きだよって。伝えられたら楽なのになぁ。

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