035 きっかけ ページ35
yt side
涼介「 へ？好きになったきっかけ？」
朝食のワッフルを頬張りながら、涼介が首をかしげる。
因みにこのワッフルはフランス土産で自分に買ってきたもの。涼介が甘党で良かったと心底思う。
「 そう。涼介は、いつ俺のことを好きになってくれたのかなー？って 」
涼介「 …どうしたの？急にそんなこと 」
自分で質問しておいてなんだけど、我ながららしくないことを訊ねてしまっているのは理解している。
…なんだか恥ずかしくなってきた。
「 何となく、気になって 」
涼介「 …俺もだったよ 」
「 え？」
ココアを飲み干して、マグカップを握ったまま涼介は目を伏せるようにして微笑んだ。
まるで、その時を思い出しているように。
涼介「 何となく気になったんだ。伊野尾ちゃんを見つめる横顔が。」
「 …えっと……いつから？」
涼介「 んー9歳だったかなぁ、確か 」
「 うっそ、そんな前から？」
涼介「 あ、でもちゃんと好きだって思ったのは中学の時。」
可愛いのは知ってた。
だけどあの時の俺にはいのちゃんしか見えてなくて、今考えると可愛い中学生の涼介をみすみす見逃していただなんて……恐ろしいくらい勿体無いことをしたな……
涼介「 なんで百面相してるの？」
「 へ、あ…いや…なんでも 」
クスって笑いながら、涼介の丸い瞳が俺をじっと見つめる。
チョコレートみたいな色と円い形から本当に女の子よりも可愛いんだ。
きっと俺が女性に興味を持てなかったのは、いのちゃんと涼介、二人のせいだと思う。
涼介「 裕翔は覚えてないだろうけど、雨の日に傘がなくて困ってた俺に渡してくれたんだよ。水色の折りたたみ傘。」
「 …え、そんなことしたっけ？」
涼介「 ふふ。あの頃の裕翔は今よりずっとサイボーグみたいで感情が見えなかったなぁ。今はオーバーリアクションだし、すぐ顔に出て分かりやすいけどね 」
「 涼介の前だけだよ、こんな子供っぽいの 」
君の手に、俺の手を重ねる。
冷たい指先もぎゅっと。
少し驚いた顔をして、だけどすぐに嬉しそうに綻んだ笑顔が可愛くって、覗き込むようにキスを落とす。
「 俺はね、涼介 」
涼介「 ん？」
冬が過ぎて、春になる。
秋が終わって、また冬が来るんだ。
だから…
「 365日、恋するよ。新しい君に 」
いろんな景色を隣で、見させてね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 493人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kasumisou*(プロフ) - ヾ(・ω・`;)ﾉぁゎゎ ありがとうございます!!楽しみに待ってます!! (2018年2月9日 23時) (
レス) id: 76a2f85b45 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - へびさん怪人さん» いつもコメントくださりありがとうございますー。今コクのありちねちゃんは神楽もお気に入りなので是非書かせていただきます！ (2018年2月9日 8時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - Kasumisou*さん» いつもコメントありがとうございます〜。うふふ、デイズはかなり皆様に好評だったみたいで神楽も嬉しいです。あの2組ぜひ書かせていただきますね。 (2018年2月9日 8時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
Kasumisou*(プロフ) - 完結おめでとうございます！コンビなのですが、ゆとやまさんが一番好きなのですが、神楽さんのお話の中ではデイズのやまいのさんとゆとちねさんがとても大好きです!なので、やまいのとゆとちねを推薦します!2組になってまいすみませんm(._.*)m (2018年2月5日 23時) (レス) id: 76a2f85b45 (このIDを非表示/違反報告)
arymきゃんでぃ?(プロフ) - こんにちは！やはりゆとやまに100票です笑 (2018年2月5日 22時) (レス) id: 16e28f2251 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神楽
| 作成日時：2017年12月23日 22時
