026 愛が違う ページ26
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「 結婚、ねぇ… 」
裕翔に用があって来た事務所。
顔パスで通ってそのまま部屋へ行ってみたら少しだけドアが開いてて守秘義務があるのに変だなーって耳を澄ませば、いつかの、生意気な後輩の声が聞こえてきた。
涼介は結婚するらしい。
どこの誰と、彼は幸せになるんだろう。
そんな呑気なことを考えた。
「 ゆうと、」
自分の気持ちに正直になるって難しい。
「 …やっほー 」
にっこり、笑って見せた俺に驚く二人。
特にクソガキの方は怪訝な顔をする。
「 久しぶりだね?知念ちゃん 」
俺よりも童顔な知念を見ると、自分が大人だということを嫌でも自覚させられる。
昔からそうだ。知念は昔から俺を毛嫌いしていた。
『 同族嫌悪って言葉知ってる?』
『 しんでください 』
そんな会話を、よくしていた。
侑李「 盗み聞きしてたんですか?趣味悪いですね、相変わらず 」
「 あははー。そっちこそ相変わらずちっちゃいねぇ。かわいー 」
考察するように俺たちを見ている裕翔の隣に行けば、なぜか心は酷く安らぐ。
どこにいても安心なんてできなかった。
誰でも、疑う余地はあって、信頼できる人はいなかったんだけど。
俺に絶対的な信頼をおく、裕翔すら、いつか離れてしまうことを考えると素直になれなかった。
いつの間にか好きになっていた幼馴染。
涼介が裕翔を好きなのは知っていた。
だけど、きっといつかは自分を好きになってくれると信じていた。
だけどそれはただのエゴで、俺は涼介の横にいただけ。
隣で、寄り添うことなんてしなかった。
だから当たり前のように、月日が流れても涼介の気持ちが俺へ向くことはなかった。
裕翔「 どうしたの?」
「 ん?あー…今日帰るの遅くなるから。充電?」
裕翔「 ふふ。充電しに来たの?」
日本で当たり前にモテる裕翔は、その優しさと賢さでこっちでもたくさんの人に言い寄られてるの俺は知ってる。
中途半端に優しくして、甘さを捨てきれない、大人になりきれない裕翔。
フランスへ行こうって、言ったのは俺なのに。
二人を引き離したのは、俺なのに。
深く傷ついた顔を隠して微笑う裕翔に、なぜか心が悲鳴をあげて。
裕翔が俺から欲しがっていた愛情と、俺が裕翔に与えていた愛情の違いが、こうして立場が逆になることでようやく分かった気がした。
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Kasumisou*(プロフ) - ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ ありがとうございます!!楽しみに待ってます!! (2018年2月9日 23時) (レス) id: 76a2f85b45 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - へびさん怪人さん» いつもコメントくださりありがとうございますー。今コクのありちねちゃんは神楽もお気に入りなので是非書かせていただきます! (2018年2月9日 8時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - Kasumisou*さん» いつもコメントありがとうございます〜。うふふ、デイズはかなり皆様に好評だったみたいで神楽も嬉しいです。あの2組ぜひ書かせていただきますね。 (2018年2月9日 8時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
Kasumisou*(プロフ) - 完結おめでとうございます!コンビなのですが、ゆとやまさんが一番好きなのですが、神楽さんのお話の中ではデイズのやまいのさんとゆとちねさんがとても大好きです!なので、やまいのとゆとちねを推薦します!2組になってまいすみませんm(._.*)m (2018年2月5日 23時) (レス) id: 76a2f85b45 (このIDを非表示/違反報告)
arymきゃんでぃ?(プロフ) - こんにちは!やはりゆとやまに100票です笑 (2018年2月5日 22時) (レス) id: 16e28f2251 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神楽 | 作成日時:2017年12月23日 22時