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ガラスが割れて arym ページ13

ar side








シンデレラは一時の魔法で愛を掴み、幸せになった。

だけどそれがもし、夢や幻想に過ぎなかったとしたらどうなってたんだろう。
…いや、そんなこと明白か。









灰だらけの娘なんかに、きっと王子は目もくれなかった。
二人は出会わずしてお互いの物語を終える。









じゃあ、もしも、出会ってしまったら?









あれは、一時の夢。一時の幻。
一時の、お遊びだった。


だけど一瞬でも、眩い花を、見つけたら?









「 やまだ、りょうすけです 」









王子は…俺は、どうすればいいんだろうか。









_______....








夏の暑い兆しが立ち込める、古風な民家。
それに不釣り合いな俺の洋服と、無理に着飾った貴婦人達。


それに目もくれない俺も俺だけど、目的は彼女達ではない。









「 あの、」






「 こちらに、一人の青年がいると思うのですが…」









ぎょっとする、貴婦人達。
だけど俺の真剣な瞳を見て、忌々しそうに溜息を吐き使用人達に「連れてきなさい」と言った。









案外、簡単なものだな。









シルクで作られた自分の服がやけに煌びやかで浮いて見えて、…やはり白なんて着てこなければよかった。









「 一服、いいですか?」


「 どうぞ 」









ライターをカチカチ、気の利く貴婦人に会釈して、もうすっかり痺れてしまった口内にタバコの味がほんのりとだけ広がる。

童顔のせいか、タバコを吸うと言うといつも驚かれるのが嫌だった。
子供扱いは苦手だ。




早く、大人になりたいわけでもなかったけれど。









「 王子様、こちらがお呼びなさった子でございます。…見せれるほどのものではございませんけど 」









貴婦人の言葉にゆっくりと顔を上げる。
夏にタバコは吸うものではないな、煙が出て行かない。

また、湿気でしなったタバコは不味い。









「 やまだ、りょうすけです 」









消え入りそうな声が耳まで届いて、真っ白な頬には煤がついていた。

汚らしい洋服を着ていたけど、それに負けない美しい顔。









見つけた。









「 …君、俺と一緒に暮らそう 」









驚いた貴婦人の顔、呆れ返った兵達の顔、そして瞳を輝かせる彼の顔。









とても愛らしい、彼こそがあの日の青年だと確信したのだった。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , ゆといの   
作品ジャンル:タレント
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こさこ(プロフ) - こんにちは(*´ー`*)すごく表現が綺麗なお話がいっぱいで夢中になって読みました◎とくに最後のゆといのちゃんのお話すっごく続きが気になります…!!(←ゆといの厨なので)素敵なお話をありがとうございました! (2018年1月8日 17時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽 | 作成日時:2017年4月26日 16時

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