溺愛 ymin

番外編【 Happybirthday 】 ページ32

ym side








今朝の目覚めは、…宇宙で一番の幸せ者だって断言できるほど最高だった。









今日2017年5月9日、俺はめでたく２４歳となり
12時にピッタリにはメンバーや先輩、後輩、俳優仲間からの誕生日メッセージが届いて歓喜。





去年はいのちゃんの『 はぴば〜 』という何とも微妙な言葉に愛しさを噛み締めてたけど
今年は、違った。









「 りょーすけ、お誕生日おめでとう 」









俺のTシャツがいつの間にか慧のものになってて、ずり落ちてる肩を少し直してそっとキスをした。







解けない魔法があるとすればきっとこの恋のことを言うんじゃないかな。
キラキラしてるけど、それ以上に愛しいんだ。






頬っぺた赤くして、目をトロンとさせた慧にもう一回キスをして二人で手を繋ぎ指を絡め、まるでそこに赤い糸があるみたいに眠りについた。







そして次、目が覚めたとき手の温もりがなくて焦ってキッチンへ行くと
知念とお揃いだって嬉しそうにしてたフワモコパーカーを羽織った慧が朝ごはんを作っていた。









慧「 あれ、りょーちゃん早いね？おはよお 」

「 お、はよう…慧、料理できるようになったの？」







フライパンすら握れないような子だったのに、スクランブルエッグを手慣れた手つきでササっと作り上げてて…


あれ、ほんとに慧だよな？









慧「 へへ。俺だってやればできる子ですぅ」


「 そっかあ？…じゃあ、顔洗ってくるね 」






名残惜しくも顔を洗いに行き、
サッパリした後適当に寝癖を直しちゃってから慧の待つリビングダイニングへ。






すると、さっきはまだ寝ぼけてて気づかなかったことにハッとした。

猫のアップリケがついたエプロン姿が目に毒。
新婚夫婦って感じがして嬉しくて、慧を後ろから抱き寄せた。


この子は俺をどうしたいんだろう。
今すぐにでも食っちまいたいけど、生憎これから俺は仕事だ。






「 けーいーちゃーん。こっち向いて？」




赤ちゃんみたいに強請る俺に
ふふっと笑って火を止めて、ぎゅうっと抱きしめ返してくれた。







慧「 お誕生日、おめでとう 」







はにかんで、俺の腰に手をまわす
慧が可愛すぎて離したくなくなる。

1年前の俺は想像もつかなかっただろう。

『 はぴば〜 』なんて短いメッセージを
何度もスクショしてた俺が1年後、見つめ合って直接言ってもらえてるなんて。









「 …あー、もう、愛してる 」


こんな幸せいいのかな？

番外編【 Happybirthday 】→←番外編【 Happybirthday 】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す