溺愛 ymin

捧げる ページ21

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「 やっべえ… 」






スポーツ新聞からアイドル新聞、普通の朝刊系までどの新聞の一面も俺と山田が飾っていた。

嬉しいのか、やっぱりまずいのか。





そして追い打ちをかけるように、ニュース番組でも俺たちの話題で持ちきり。







涼介「 おいおい。TPPとか何たら学園とかどこいっちゃったのよ 」

「 …ほんとだよ 」








でも…でもね山田？
俺ってば不謹慎だけど、嬉しいって思っちゃったんだよ。








だってこんなに、山田とのツーショット載せてもらえることってないんだもん。

ダメなのに、にやけてしまう…そんな緩まった頬っぺたが軽くつねられた。









涼介「 俺も同じ気持ちだよ？」


「 へ、っ？」






涼介「 …新聞の一面。俺と伊野尾ちゃんなんて今までではあり得ないことだもん。嬉しい」









とろけるように目を細める山田に、俺のハートは粉々に撃ち抜かれて

…もうこれ以上ないってくらい愛してるのに、さらにその上を越えてく。






可笑しいな、なあんて。









「 …もー、やだ 」


涼介「 はは。言葉と行動が合ってないんですけどー 」

「 …うるさい 」






涼介「 タックルですかー？」

「 あいじょーひょーげんですぅ」








薮みたいにふにゃふにゃな山田の頬っぺたに軽ーくキスして抱きしめる力を強める。




そしたら急に、山田の顔が近づいてきて
キスするの？って思って目をぎゅっと瞑る。




ふふっと吐息が耳にかかる。
背中がぞくぞくして、胸はきゅんきゅん。









涼介「 …慧、って呼んでいい？」







極め付きはこれなんだから、もうどうしようもない。
腰は抜けるわ、骨抜きにされるわ…





「 さてはおめえさん、俺を妊娠させる気だな…」

涼介「 ん？そーいうことしたいの？」





にこにこ。
…山田が幼少期の時、薮に近付けるんじゃなかった。







「 …ナンデモナイデス。」


涼介「 んで？…さっきの答えはー？」









意地悪な笑顔に魅せられて、全身が熱くなる。








「 …も、もちろん 」









俺のことを下の名前で呼ぶ奴なんて、母さん父さんくらいで
ホントに止めてほしいくらいドキドキする。


心臓壊れるんじゃないの？ってくらい。









だけど、









涼介「 …好きだよ、慧。」








この人は、そのドキドキの上を軽々と通り越してくんだ。
心臓がいくつあっても足んないよ…






なんて、少女漫画のヒロインになった気分。

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