愛しい ページ13
in side
涼介「 伊野尾ちゃん、和食がいいよね？」
ハンドルを切る山田がさっきからずっと甘い声で俺に色々と尋ねてくる。
その度に息が詰まりそうになって、慌てつつ言葉を繋いで。
夜でよかったと心底思う。
真っ赤な顔なんて恥ずかしくって…
「 あ、うん… 」
涼介「 んーじゃあ、あそこ、かな？」
徐ろにイヤホンをした山田をじっと見つめる。
音楽はオシャレな洋楽がさっきから流れてるし、何するんだろう？って不思議に思った。
涼介『 …あ、山田です。はい…いつもの…はい。ありがとうございます 』
心なしか山田の緩んだ頬に、俺まで嬉しくなった。
「 あの、…山田？」
涼介「 ん？どうしたの？」
「 どこ行くの？」
ふふ、っと微笑う山田はいつも俺らに見せる表情よりも柔らかくて甘くて…
涼介「 伊野尾ちゃんが気に入ってくれそうなとこだよ 」
そんな顔見せられたら、俺だって…っああもう！
なんて想いがぐるぐる立ち込めた。
涼介「 …どうかした？和食、やだった？」
ちょっと寂しそうに小首を傾げる、その顔にまた胸を打たれて
首をやっちゃいそうなくらいに横へ振った。
涼介「 …ははっ、そっか。ならよかった 」
冷たい指先がじんわりと空気で温まって、照れくさくなる。
いつもと違う雰囲気に、俺もうどうしたらいいのか分かんないよ。
テキトースイッチが入らず、シドロモドロになってしまう。
こんなのきっと、らしくないんだろうけど。
本当俺ってこんなもんだ。
涼介「 とーちゃーく 」
「 お、おぉ…？」
暫くして車が止まった。
手を引かれるまま歩いてくと、落ち着いた雰囲気の黒頭巾を基調とした料理屋に着いた。
山田は和かに着物を着た女の人に話しかけてて、だけどその間も俺の手は絶対に離したりしなかった。
「 …あの、さ 」
涼介「 どうしたの？」
「 えっと…これ、は？」
個室に案内されてから、二人きりになってすぐ気になってたのを聞く。
それなのに、意味が分からないっていう顔する山田は澄まし顔で首を傾げて
…それからボッと顔を真っ赤にした。
涼介「 ご、ごめっ……」
「 いや…」
「 俺は、いいんだけど… 」
涼介「 え？」
「 いや…何でもない 」
つい伝えてしまいそうになった。
そんな自分に、怖くなる。
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ふるは(プロフ) - やまいのさん。好きなのでとても幸せです。 (2018年12月16日 10時) (
レス) id: df18d22876 (このIDを非表示/違反報告)
はっぱっぱ(プロフ) - やっと読めました・・・！暇になったので一気読みしました笑 やっぱりこのお話最高です、！山田くんと伊野尾くんの美しい画が浮かんできたくらいです・・・！これからも何度か読み返させて貰います♪ (2018年2月9日 16時) (レス) id: 296b5b94d2 (このIDを非表示/違反報告)
Kasumisou*(プロフ) - こちらこそよろしくお願いします(＊´ｖ｀) (2018年1月25日 2時) (レス) id: 76a2f85b45 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - Kasumisou*さん» ご指摘ありがとうございます。後悔し忘れておりました、申し訳ありません。再度公開させていただきました。これからも至らない点ばかりだとは思いますが作品共々宜しくお願い致します。 (2018年1月24日 22時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
Kasumisou*(プロフ) - あの、愛しいから契りに変わる時の話って、飛んだりしてますか?違和感を感じたのでお伝えしようと思いました。私の勘違いなら、気にしなくて大丈夫です！これからもお話楽しみにしています。 (2018年1月24日 21時) (レス) id: 76a2f85b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神楽
| 作成日時：2017年3月18日 15時
