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彼は僕を優しく抱きしめる。

『……すぐる…っ。』
「もう、会えない。」

"会えない"その言葉が思ったよりも精神を削った。

『なんで?』
「すまないね。」

そう言って彼は開いたドアから下車した。




「ありがとう、A。」
を最後に残して。




『ぅっ……ぅうぅ…っ……』
あぁ、寂しい。辛い、苦しい。

なんで、なんで僕のところ来たんだ。
もうダメだ。心が死にそう。

心臓がずっと苦しい。

でも、僕はこの先も知らずにいる。
会った夏油傑は僕が知っていた夏油傑ではないと。








__

『ただいま……。』
家に帰ってくる。
今は悟と同棲している。

居間にあるソファに座る。
それでもやはり1人だ。

悟は仕事とか任務とかで忙しいし、高専から離れない時もある。
動物園に行った時もそうだった。そのまま泊まったらしい。

こればかりはしょうがない……とはただの言い訳だ。
やっぱり寂しい時は寂しい。

電話以外にもメッセージが来たりもする。SNSとかにも。
でも僕も心配する。
嫉妬だってする。浮気してないかとか冷めたかなとか心配する。

『さとる……傍にいてよ。』
「いるって言ったでしょ?」
『えっ……ん』
後ろを振り返ると本当に悟本人がいた。
キスが降り注ぐ。


「Aの専属っぽくなってる補助監督から連絡が来たの。"帰りは電車で帰るって言ってた"って知らせがね。」
隣のソファに座る悟。

『……っ。』
「Aは電車苦手なのに乗るの可笑しいでしょ?こんなの何かあったしかないよ。」
僕は電車は苦手だ。嫌な思い出しかない。だから乗らない。

「僕に言えないこと?」
僕は俯く。何も答えられない。

「……じゃあ僕が核心をつこうか。」
僕を向き合う感じに膝に座らせる。

「"傑"でしょ?」
心が揺らぐ。その核心が命中しすぎて怖い。
目隠しをしているのに怒ってるのが少しわかる。

「最初からわかってた。Aも傑も。」
『っ。』

「僕をなんだと思ってるだ。最強五条悟だぞ。」
『……ごめんなさい。』
頬に暖かい感触、彼の手が当たる。

「……僕はね。Aが欲しかった。何がなんでも手にしたいくらいに。だから傑から奪ったよ…。」
僕を優しく抱き包む。

「笑顔めっちゃ綺麗だし、照れてるところ可愛いし、怪我をしても頑張るし。意味わからないほどに傑や俺、硝子に真っ直ぐだった。Aがいるだけで心が救われるんだよ。」
背中に回った手に震え、力が入った。

な→←つ



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きょーや(プロフ) - 洸さん» こんばんは!リクエストありがとうございます!続編の「比翼連理な毎日」の「求漿得酒」をタイトルに書かせていただきました。洸様のリクエストにお応え出来ましたら幸いです。 (2022年5月3日 23時) (レス) id: 63ac262d52 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、リクエストしてよろしいでしょうか。酔っ払った夢主と五条さんの話が見たいです。気乗りしなければ見なかったことにしてください。 (2022年4月23日 19時) (レス) @page41 id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょーや | 作成日時:2021年9月17日 1時

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