寤寐思服な毎日

『相思相愛』上 ページ14

『久しぶりに二人きり……嬉しい』

どうもこんにちは。京極Aです。
今日は私服で悟を待ってます。上野駅前で。

それは1週間前に戻ります。

________

〜1週間前〜

『え？行きたいところ？』
｢そ、行きたいところ｣
高専の資料の整理整頓をしていたところに悟が来て、急に聞いてきた。

"行きたいところ"
だとしても前は一緒に映画見たし、その前だって買い物したし。

『んー別にな…あっ！久しぶりに上野に行きたいなぁ。』
｢上野？またなんで？｣
『ど、動物………見たくって………。』

そう動物。最近は展開が早すぎて癒しが欲しいのだ。
悟も任務とか出張とかで忙しすぎて疲れているだろうと考える。
アニマルセラピーというものだ。

｢A可愛いわ、やっぱ。｣
『真顔で言うのやめてくんないかな？』
｢じゃあ、動物園にしよ！隣に美術館もあるし！｣

｢__月__日、__時に上野駅で集合！遅れないでねー。｣

___

という事で駅の前で悟を待ってます。
悟は一緒に出掛ける時とかは時間は守る。
だからもう少しで来る……他でも守ってくれないかな？

あ、そうだ。動物園を選んだのはもう1つ理由があるんです。

｢A。待った？｣

それは後で話しますね。

『うん、待ったから激辛ラーメン食べてね。』
｢いや、そこは"｢ううん、今来たところ｣"って答えるところだからね？｣
そんなありきたりなことを僕に求めちゃダメだよ。

｢まぁいいや、行こっか｣
彼、悟は僕の手を取って繋いだ後に、指と指を絡ませた。
毎回の事なのに、いつまで経ってもなれない。

｢A、可愛い｣
『………っ。』
可愛いと言われて嬉しい男子はどっかにいると思うけど、僕は嬉しくない。
ぷいっと顔を背ける。この間も動物園に向かってはいる。

｢A、こっち向いて｣
僕は何の警戒もなしに振り向く。
同時に悟の顔が近づき、リップ音と一緒に柔らかいふんわりとした感触が唇に降ってきた。

一時思考停止したが、動くのに時間はかからなかった。
"キス"をされたのだ。

『なっ？！』
｢顔真っ赤。やっぱ可愛い……好き、大好き。｣
こんな言葉を良く恥ずかしがらずに言えるから、こっちがもっと恥ずかしくなる。

ぬぁあ！いつもの目隠しないし(サングラス)、いつもの服じゃなく私服で見慣れてないし、イケメンだから…顔面国宝だから……だから

｢Aは俺の事嫌い？｣
水色とも青とも言い難い、南国の海の様な色の目に虜になる。

『ううん、愛してるよ。』
やっぱり好きだなぁ。

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