呪われた子�Ｉ�黒恵視点 ページ11
『これが呪術師だよ』
俺を見ながらそう微笑んだ瞬間、
目の前からAが消える。
気付いて見れば、
ギィィンッと甲高い金属音が響いていた。
「…(速い…！)」
Aが片手に短剣を持ち、
呪霊に攻撃を繰り返す。
目で追うので精一杯なくらいなスピード。
しかし、その短剣を呪霊は片手で受け止めていた。
余程、その手は固く見える。
つか、なんでついていけてるんだよ。
すると、Aが余裕そうに
呪霊の攻撃を避けながら俺を見る。
『これは、呪具だよ。
呪力が込められた武器だ。
術式がうまく使えなくても、
これがあれば呪霊を祓える』
くるくると短剣を片手でいじり、
俺にそう説明してくる。
まるで授業にみたいだ。
でも、俺は、呪術師をやるつもりなんて、ない。
所詮偽善だ。
吐き気がする。
俺に誰を助けろっつーんだ。
誰を、助けろって言うんだよ。
俺が、誰を。
誰を…………
自分の腕の中で倒れるバカ姉貴を見る。
「……」
俺がお前らの言う通りにしてたら、
救えたのかよ。
こうならなかったのかよ。
『恵』
「、、は」
気付いたら、隣にアイツが立っていた。
急にやってきて、
呪術師になれと説いてきたヤツ。
来てはいつも俺らに何かを買ってきたり、
どこかへ連れてってくれる。
その瞬間を嬉しそうに、
幸せそうにしているコイツが苦手だ。
善人が苦手だ。
許すことを格調高くとらえるところに吐き気がする。
津美紀もAも、典型的善人。
苦手だ。
苦手だ。
苦手なんだ。
Aが俯く俺にポツリと呟く。
『……恵、俺は、本当に大切な人しか助けない。
呪術師として任務は遂行する。でも、上から
恵を見捨てろと言われたら、
俺はそれを無視してお前を助けるよ』
『前は目に映るもの全てを助けたかった。
でも、それは無理なんだって気付いたから』
その言葉に弾かれるように顔をあげた。
ゆっくりと指が絡み合う。
左右の小指と薬指を絡め、
中指と人さし指の腹を合わせる。
そして、
最後に、
内側に突き出るように親指の腹を合わせた。
ふわりと、風が前髪を撫でる。
異様なほどの呪力を感じた。
『領域展開』
『剥奪神気』
瞬間、真っ白な紙が辺りを覆い尽くした。
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Moon(プロフ) - 続きよろしくお願いしますm(_ _)m (7月21日 16時) (
レス) @page29 id: 95380bd188 (このIDを非表示/違反報告)
ナン - 本当にずっと大好きです！ずっと待ってます！ (2022年9月25日 7時) (レス) id: 4fd43f08d2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちょ - 本当に大好きで、1年くらい前から何周もして見させていただいておりました。もっかい見たくて久々に来たけどまだとまってるぅ泣いつまでもつづきまってます！！！ (2022年8月9日 3時) (レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
御影 - 完結済みなのでしょうか...?私はこの作品がとても好きで何回も見にきては更新を楽しみにしています。現実の方でも忙しいと思いますが頑張ってください！！ (2022年5月29日 21時) (レス) id: b108857f79 (このIDを非表示/違反報告)
焼き鮭 - この作品は完結済みですか？大好きな作品なので、続きがすごく気になります！ (2022年5月20日 17時) (レス) @page29 id: 64769613b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かるーあ | 作成日時：2021年3月7日 15時
