募る不安�� ページ24
高専に戻り、灰原は回収された。
「……」
「…」
『………』
三人の間に流れる空気は、
正直良いものとは言えない。
あの悟でさえ、
空気を読んで何も喋らないんだから。
俺は肩にかかっている上着をしっかり着ると、
返された自身の上着を腕にかける。
『悟、上着ありがとう。洗って返すから』
「…お、…おう(着てる…俺の…だぼだぼ…)」
『じゃ、俺は風呂はいって報告書書いて寝るわ。
お疲れさんした〜』
ヒラヒラと手を振りながら、
二人をおいて、そそくさと歩き出す。
後ろから、「…大丈夫？」と傑の声が聞こえたが、
聞き取れなかったふりをした。
_______
____
__
部屋に戻らず、廊下を途中で曲がって、
男子トイレに入る。
やけにスペースがあり、
壁の二面に小便用便器が設置され、
もう一つの壁側には個室のボックスが四つあった。
俺はすぐさま、一番奥の個室に駆け込んだ。
『オ��ェ…！ゥ��……！！』
奥から波のように押し寄せてきた吐き気。
それを便器に向かって吐き出せば、
びちゃびちゃと水の中を満たした。
口の中がすっぱい。
気持ち悪い。
��Aさん！お土産です！どうぞ！��
��先輩カッケェ！！流石っすね！！��
��今度、七海と出かけるんですけど、
一緒にどうですか？��
あの笑顔が、
キラキラと眩しい太陽のような笑みが、
一瞬で赤黒い顔に変わる。
それにまた吐き気がきて、ないものを吐き出した。
喉が熱い。
熱い。
目も、熱い。
ポタポタと目から雫がこぼれ落ちる。
『何が特級だ………』
後輩一人守れないで、何が特級だ。
結局、失って、助けられなくて。
何もやれてないじゃないか。
情けなくて、悔しくて、悲しくて、
ダァンッと思いっきり壁を殴る。
痛い、痛い、痛い。
『……なんで灰原が…死なないといけないんだ』
俺なら、せめて、俺なら、良かったのに。
俺なら、喜んでかわってやったのに。
なんで、なんでなんでなんで。
神様は残酷だ。
ジャーッと吐き出したものを全て流し、
個室から出て石鹸で手を洗い、
気持ち悪い口の中を洗い流す。
キュッと、やけにその音が響いた。
「！ぁ、お、お疲れ様です…」
『……あぁ、お疲れ様』
すれ違った伊地知にそれだけ言ってトイレから出る。
バタンッとドアが閉まった。
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ユキノシタ(プロフ) - 卒業おめでとうございます！ (2021年3月7日 15時) (
レス) id: 975ff33ffa (このIDを非表示/違反報告)
ユキノシタ(プロフ) - ルカさん» その為高専生には卒業後呪術師になるまで一年猶予が与えられる"との旨がこれまたサラッと書かれています。(長文ごめんなさい) (2021年3月2日 18時) (レス) id: 975ff33ffa (このIDを非表示/違反報告)
ユキノシタ(プロフ) - ルカさん» 東堂が来た時に伏黒君と野薔薇ちゃんがサラッと言ったので忘れちゃったのかもしれませんね…！因みにpixiv辞典には"元々五年制だったが最後の一年は任意だったので四年制になった。 (2021年3月2日 18時) (レス) id: 975ff33ffa (このIDを非表示/違反報告)
ピッピッピ(プロフ) - ッピ増やしました元ピッピです。高専って四年制だったのかぁ (2021年3月2日 17時) (レス) id: ae135d7734 (このIDを非表示/違反報告)
たわし - 今思うと伊地知のbl少ないよね (2021年3月2日 6時) (レス) id: 9c3bc33af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かるーあ | 作成日時：2021年1月17日 11時
