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俺は軽く頭を下げて夜遅くに来てしまったことを謝る。
京様は俺にいらっしゃいと声をかけつつ、京本の頭を撫でる。
嫌がる素振りを見せない辺り、田中家とはまた違う仲の良さを感じる。
「泊めるのは構わないけど、今日は客間使えないぞ？」
「俺の部屋泊めるから大丈夫」
「お前あんな汚い部屋にお客通すの？…まぁいいけど。北斗、今度大我の部屋片付けるの手伝ってやってね」
「え、あ、はい…機会があれば」
「余計なこと言わなくていいから」
親子の会話に戸惑いながらも参加し、眺めているといつのまにか終わっていたらしく京本が少し離れたところで手招きをしていた。
「俺の部屋ここだから。ついでにそこ右曲がると２つ扉があって、手前がトイレで奥が風呂ね」
そういって京本は扉を開ける。
死ぬほど汚いわけではないが、それなりに汚い部屋に入ると、まだ封を開けていない下着とスウェット上下を渡される。
「多分どっちも新品だから。あ、先シャワー入っていいよ」
「多分って何だよ…」
「パンツは新品だけど、パジャマは自信ないから。嫌だったら今着てる服のまま寝ろよ」
パンツが新品なだけマシかと思い、俺は京本の言葉に甘えてシャワーへと向かう。
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シャワーを浴び、酔いが覚めて軽い足取りで部屋の扉を開けると、飛び込んで来たのは何も身につけていない京本の上半身。
「あ、お帰り。次俺風呂入ってきちゃうわ。そこの布団が北斗のね…ってどうしたの？」
「いや、その。何でもない」
俺はまだかなり酔っているらしい。認めたくはないが、普段なら何も思わない京本の上半身に少しだけ、本当に少しだけ、クラッときてしまった。
「まだ酔ってんの？顔の赤みは引いたけど…ま、俺がシャワー入ってる間に寝ちゃってもいいからさ」
不用心にこちらへ近寄る京本に、ついには苛立ちさえ覚えてくる。
「…あ、うん。寝とくから。その、今こっち来ないでくれると嬉しいというか、なんというか」
「はぁ？俺なんかした？」
眉間に皺を寄せて俺を見つめる京本を見てハッとする。
これは多分、京本を怒らせた。
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作者名：六花 | 作成日時：2019年5月18日 12時
