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京本の家来る発言に対し、動揺し過ぎて何の反応も出来ない俺。
家来る？行く行く〜！なんて軽いレスポンスが出来る仲であれば俺たちは現状ここまで弄られていない。
それなのに、京本は何を考えているのか。
たしかに、彼の親御さんにはお世話になっているため、家には何度か伺ったこともある。
しかし、その時は俺だけが呼ばれた訳でも、ましてや京本の部屋に入った訳でもない。
考えの読めないまま、俺はとりあえず顔で疑問を示してみる。
「ここから北斗ん家、逆方方向だし。近くまでは行けるけど途中で終電無くなるんじゃないかな、と思いまして…」
確かに京本の言う通りここから自宅まではだいぶ距離があり、いくつか乗り継ぎが必要なため、最寄りの駅までたどり着く前に終電は無くなる。
「それにその、結構酔ってるから心配だし…。まぁ、嫌なら全然…俺帰るんで…」
「いやっ！あの、嫌じゃないんだけど、なんて言うか…良いのかなって…思って…」
メンバーがいれば自然に話せるのに、二人きりにされた瞬間にこれだ。
「…じゃ、行くか」
「う、うん」
初々しいカップルのような会話に、あながちファンの言う「中学生カップル」は間違いではないのかもしれない、とまで思う始末。
行くか、と言う京本についていくが、案の定というか道中の会話はほとんどない。
電車に乗ってからも結局会話という会話はなく、気まずいままに京本家の門が見えてきた。
「…ここまで来といてあれだけどさ、本当に平気？」
「大丈夫大丈夫。しめとかちゃかとかもいきなり泊めたりするから」
「…なら、いいけど」
口では良いと言ったが、俺が本当に聞きたいのは俺が京本の部屋に入ることに対してだ。
「起きてるか寝てるかわかんないから裏口から入って」
俺が京本の後へと続きリビングへ足を踏み入れると、ちょうど京本のお父様が二階から降りてきたところだった。
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作者名：六花 | 作成日時：2019年5月18日 12時
