彼らはいつもすれ違う。 (ページ13)

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松村北斗side

東京に戻るとすぐに慎太郎が予約した店へ向かい、店に着くと、樹が京本をそれとなく上座に通した後、その隣に自分が座り、樹の隣にはジェシーが座った。

特に席順にこだわらないメンバーだが、樹はタイミングが合えば京本を上座に座らせている。

なんだかんだ樹の中の一番上は京本だ。

それは呼び方が変わったからといって簡単に変えられるものではないのだろう。

残された俺たち3人は奥から高地、慎太郎、俺という順番に座り、メニューを選ぶ。

「きょも何食べたい？」

「刺身食いてえな」

「色々あるけど、俺も食べたいから盛り合わせにしていい？」

「うん、鯖は俺のね」

「大我って刺身好きそうな顔してるよね」

「え、俺そんな顔してる？」

樹と京本、ジェシーのそんなやりとりを聞きながら俺は店員を呼ぶ。

注文を終え、ほどなくして飲み物が届くと誰からともなく「乾杯」の声が聞こえてくる。

「いやぁ、終わっちゃったね」

慎太郎がいつもよりも少し落としたテンションで話し出す。

「なんか、今回は本当によかったと思う」

「なに、今までが微妙だったみたいな言い方なんですけどぉ～。俺そーいうの良くないとおもーう」

「うざいうざい何キャラなの？」

俺が折角会話に乗ったというのに、即座に揚げ足を取ってくる慎太郎にめげずに俺は続ける。

「でもさ、今回割と本気の俺たちっていうか、そういうの見せられたと思わない？」

「それはあるよね。キャラが安定したというか、外見含めて全員が一番輝いてたし」

「俺真面目な顔して輝いてるって自分のこと言えねえわ」

「高地も輝いてたよ？キラキラスマイル」

「やめてジェシー、ありがたいけどクソ恥ずい」

誰かが真面目に話せば誰かがふざける、それが俺たちだ。

一時は皆バラバラで、かなり険悪な雰囲気の時もあったが、話し合いや年齢を重ねるにつれてだいぶそれぞれの個性を認め合うことができるようになった。

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