二人はいつもすれ違う。1 ページ1
京本大我side:
「あ、きょもー、ちょっと北斗のこと呼んできてくれない?」
ヘアメイクが終わってスマホをいじっていると、樹から声をかけられる。
他のメンバーはまだ衣装の採寸やヘアメイクの最中だし、このメンツだと俺しか適役はいない。
立ち上がろうと椅子から腰を持ち上げると、慎太郎がこちらを向いた。
「俺あとちょっとだから終わったら呼びにいこうか?」
昔ほど俺と北斗の仲は険悪ではなくなったとはいえ、まだまだ心配なのだろう。
俺と北斗が仕事以外で絡むときは大体、慎太郎が気を遣って間に入ることが多い。
「いいよいいよ、俺も充電器取りに行きたいし」
後ろから聞こえる樹の「よろしくー」という声を聞きながらスタジオを出て、控室へと向かう。
そこでふと、俺と北斗のことを考える。
俺たちが普通のメンバー同士として会話が出来るようになったのはここ最近のことだ。
どちらも受身で、しかも頑固。だから本当に仲が悪かった時期を越えても普通に会話ができるようになるまでに相当な時間がかかった。
パズルのピースは凸と凹、その2つがあって初めてハマるのに、俺たちは両方とも凸なのだ。それは変えようのない事実。
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作者名:六花 | 作成日時:2019年5月18日 12時