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最初こそじたばたと抵抗していた彼女だったけど、しばらくすると観念したのか大人しくなった。

さっきまでのはしゃぎようが嘘のように腕の中で黙り込んでしまったAに、何だか居心地が悪くなって声をかける。

「どうしたの、急に黙って」

「いや、その...」

そっと顔を覗き込むと、真っ赤になって視線を逸らした彼女はつぶやいた。


「...なんか、私の知らない間にすっごくかっこよくなってて、その、かわいい弟だと思ってたけど、テヒョナも立派な男の子になってたんだなあって...」


その言葉に、僕の中でかろうじて形を保っていた何かが音を立てて崩れた。


「.... そうだよ」


彼女を背中からベッドへ優しく降ろして、そのまま覆い被さるように跨る。

2人分の重さにベッドがぎしりと音を立て、焦った表情でこちらを見上げる彼女と僕の視線が交わった。

「ちょっ、テヒョナ...!?」

「僕も、もう立派な男だよ」

こんなに短いスカートから惜しげも無く足を晒して。
知らない間にメイクも上手くなって。
さっきも、大学の友達と合コン行くとかなんとかの返事をしてて。

僕のことなんて。最初から眼中に無かったって言われているようで無性に腹が立った。

「...男の部屋にこんな無防備に上がり込んで、警戒心が足りないんじゃない」

「だ、だって、テヒョナだし...私の事、そんな目で見てないと思ってたし、」

ほら、やっぱりそうだ。

Aの愛用する香水の匂いだって、服の趣味、広がった交友関係。彼女のことなら全部知っていると思っていたのに、なにもかも知らないことばかりになってしまった。

そうしてなにもかも変わってしまったけど、僕の気持ちは昔から何も変わらない。


「...僕はとっくの昔から、Aのことがそういう意味で好きだよ」


彼女は驚いて目を見開くと、頬を赤く染めたまま僕のシャツの胸元をぎゅっと握る。抵抗してるつもり?それとも。

「....その顔、逆効果だって分かってる?」

「な、なにが」

「はぁ...A、本物の馬鹿だね」

そんな顔されたら、期待するよ。
僕にもまだ、肩書きを書き換えるチャンスがあるって。

いや、そんなチャンス無くたって。


「...もうかわいい弟だなんて、言わせないから」


そうして、早く僕のことを意識すればいい。
絶対に好きにさせてみせるから、覚悟してね。

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るちる(プロフ) - ガフィさん» ガフィさんありがとうございます!そう言って頂けて本当に嬉しいです...!これからも頑張って更新しますので、よろしくお願いいたします☺︎︎︎︎ (7月19日 12時) (レス) id: ed32ac0ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ガフィ - めっちゃこの小説好きです!!大好きです!更新楽しみにしてます。頑張ってください! (7月17日 18時) (レス) @page5 id: ae97ca80d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るちる | 作成日時:2023年7月11日 1時

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